2000 Fiscal Year Annual Research Report
TeVガンマ線観測による超新星残骸での衝撃波加速の解明
Project/Area Number |
11304015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷森 達 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10179856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪 秀利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40300868)
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Keywords | 高エネルギーガンマ線 / 超新星残骸 / 宇宙線起源 / 衝撃波加速 / チェンレンコフ光望遠鏡 |
Research Abstract |
特定研究A『高エネルギーガンマ線天体』計画研究Bでオーストラリア、ウーメラに設置した7m解像型チェンレンコフ光望遠鏡を10mに改良し、300GeV領域の観測が12年4月から始まった。[1]データ解析状況 まず、平成11年度に7m解像型チェンレンコフ光望遠鏡で観測したPSR1706のデータ解析を行ない、600GeV〜5TeVでの微分フラックスを求めることが出来た。この天体では始めてである。1TeV以上での以前の測定とよくあっている。また、世界で始めて逆コンプトン散乱からのガンマ線の特徴であるスペクトルの冪の急な変化が1TeV領域で観測された。これは、ガンマ線の発生源を決定できた始めての成果であり、物理学会と幾つかの国際学会で発表した。現在、12年度に7m望遠鏡を10mに改造したが、その後の10m望遠鏡で観測されたSN1006や、RXJ1713,PSR1706のデータを解析中である。同時に10mに改造された時に下に述べてあるADCを増強したが、そのための解析ソフトの開発と、各種の校正を行ない、ADC情報を解析に組み込む仕事を行ない、解析の改善を行なった。 [2]カメラ、ADCの設置とオンラインの改良 この科研費は、望遠鏡のカメラの視野の増強とADCを補強し、ガンマ線最構成の効率を上げることが目的である。昨年度制作した増強用のPMTおよび、ADCを3月の10m増強作業中に取り付け、上記のように校正等の仕事を行ない、現在解析に使用されている。エネルギースペクトル等が大きく改善された。さらに、12年3月、10月に2度オンラインの改良を行なう。Sun-OSからLinux-OSへの切替え、およびCPUの高速化を行なう。この作業により、20Hz程度のデータ収集速度の上限を80Hz以上に増強した。 現在、2台目の望遠鏡のためのADCの高速化と、ステレオ観測に向けた新たな200Hz以上のトリガーを処理できる超高速オンラインの開発を行なっている。
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[Publications] A.Kawachi,T.Tanimori et al.: "The Optical Reflector System for the CANGAROO-II Imaging Atmospheric Cherakor Telescope"Astroparticle Physics. 14. 261-269 (2001)
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[Publications] H.Muraishi,T.Tanimori et al.: "Evidence for Tergamaa-ray Emission from the shell Type SNR RXJ1713.7-3946"Astronomy & Astrophysics. 354. 259-261 (2000)