1999 Fiscal Year Annual Research Report
岩石変形学に基づく地震(高速変形)の準備過程の解明
Project/Area Number |
11304037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹下 徹 広島大学, 理学部, 教授 (30216882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金川 久一 千葉大学, 理学部, 助教授 (40185898)
安東 淳一 広島大学, 理学部, 助手 (50291480)
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Keywords | 高圧型岩石変形実験装置 / 超硬アンビル / 油圧システム / 微小変位制御システム / カンラン石 / すべり系 / 高圧発生 / 上部マントル |
Research Abstract |
本年度に本基盤研究(A)(2)で行った研究実績を以下に箇条書きする. 1.(株)住友重機械工業の技術者と,本研究で用いる主要大型装置の高圧型岩石変形実験装置の設計について数回にわたり綿密な相談を行った.特に,上下超硬アンビルおよびシリンダーの形状は,安定な高圧を発生するのに重要なパラメターであるが,議論の末,今回暫定的な形状を決定した. 2.本装置は,一軸圧縮プレス本体,油圧システム,微小変位制御システムおよび試料加熱システムよりなるマルチシステムである.本年度は,装置の動作試験を行い,各々のシステムの動作をセンサーによって計測し,本マルチシステムが正常に機能することを確認した. 3.研究代表者の竹下は,地殻上部を構成する造山帯中の変形石英岩について,その結晶格子選択配向および塑性異方性について研究するとともに,論文を執筆した. 4.研究分担者の安東は,上部マントルを構成していた天然のカンラン石多結晶について,その結晶格子選択配向を測定するほか,透過電子顕微鏡を用いて,活動すべり系を解析した. 5.次年度は,装置の能力を試す意味で,まず既に塑性変形挙動が良く調べられているカンラン石単結晶について変形実験を行う予定である.一方で,本装置では4GPa(上部マントル中の120km相当)までの圧力発生が可能なので,今まで未知であった高圧下のカンラン石の変形機構(すべり系)を調べることが出来る.本年度は,最近精力的に天然の変形カンラン石中のすべり系を解析されている研究分担者の金川と,カンラン石の変形実験計画を議論した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takashita,T.,et.al.: "DeNelpment of preferred orientation and microstructure in sheared quartzite:comparison of natural date and simulated results"Tectonophysics. 312・2-4. 133-155 (1999)
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[Publications] Furusho,M.,et al.: "Transformation-induced strain lodalization in a lherzolite mylomite from the Hidaka metamorphic beet of central Hokkaido Japan"Tectonophysics. 313・4. 411-432 (1999)
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[Publications] Nishikawa,O.,et al.: "Progressive lottice misorientation and microstructural development in quartz veins deformed under subgreenschist conditions"Journal of Structural Geology. 22・2. 259-276 (2000)
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[Publications] 竹下徹 他: "脆性-塑性転移条件(準緑色片岩相)における変形岩英中の微細構造と古差応力値"月間 地球. 22・1. 58-63 (2000)
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[Publications] 竹下徹 他: "四国西部'石鎚山第三系'のK-Ar年代とその意味"地質学雑誌. (印刷中). (2000)