2001 Fiscal Year Annual Research Report
界面特異性を利用した分析化学反応の構築とその構造論的・速度論的研究
Project/Area Number |
11304054
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70114569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西沢 精一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40281969)
内田 達也 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30261548)
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Keywords | 液液界面 / 固液界面 / 超微粒子 / メソ細孔体 / 分子認識 / 時間分解 / 第二高調波発生 |
Research Abstract |
海面特異性の発現場としてメソ多孔体,金ナノ微粒子,半導体ナノ微粒子を用いたイオン・分子認識反応の構築について検討した。金微粒子表面を分子認識能を有するチオール化レセプター分子で修飾し各種アニオンや糖類に対する応答特性を検討した結果,水中においてゲスト分子の存在下,微粒子溶液の色が赤色から青色へと変化しゲスト分子の存在判定を容易に行いうる分析反応の構築を達成した。特にアニオン認識では金属表面近傍で水素結合が水中でも機能し得ることを見いだした。また,シャープな発光体を可視域に示すCdSeナノ粒子についてもイオン認識能を有するカルボキシル基を直接化学修飾,修飾官能基とNCの相互作用によって生じる新規発光を利用した化学センサーの構築を検討した。各種金属イオンに対する応答特性を検討した結果,鉛イオン添加に伴って発光強度が増大し,他の柵形成能の弱い2価のカチオンに対しては発光強度の増大は見られなかった。この結果は,光誘起電子移動型センサーなどの有機系蛍光プローブの代りに耐光性の強い半導体ナノ粒子の発光プローブとしての利用可能性を示すものである。さらに,シリカメソ細孔体において,細孔内に界面活性剤棒状ミセルを有する微粒子およびそれらの基板状固定化薄膜を用い,光誘起電子移動型蛍光プローブによる水中アルカリ金属イオン認識について検討した。その結果,細孔内において酸素などによる消光作用が抑制されることが分かり,水溶液中でアルカリ金属イオンの検出が可能な機能性薄膜の作製を達成した。また,光電気化学活性な色素インターカレータであるメチレンブルーを用いた光応答性のDNA修飾電極を作製し,その光電気化学挙動とDNA検出の可能性についても検討した。 速度論的研究として,表面第二高調波発生分光法により液液界面吸着種のピコ秒ダイナミクスを検討した。その結果,界面吸着会合体間のエネルギーマイグレーションや高次の会合体へのエネルギー移動が液液界面で生じていることが分かった
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Research Products
(4 results)
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[Publications] R.Kato et al.: "A thiourea-based chromoionophore for selective binding and sensing of acetate"Tetrahedron Letters. 42・30. 5053-5056 (2001)
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[Publications] S.Nishizawa et al.: "Facilitated transfer of hydrophilic anions across the nitrobenzene-water interface"Chemistry Letters. 10. 1058-1059 (2001)
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[Publications] S.Nishizawa et al.: "Chloride transfer across the liquid-liquid interface"Bulletin of Chemical Society of Japan. 74・12. 2343-2347 (2001)
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[Publications] T.Ishioka et al.: "Analysis of redor reaction of 9,10 - phenanthrequinone on a gold electrode surface"Analytica Chimica Acta. 449. 253-260 (2001)