2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11304059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 賛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20161565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 哲 (財)東京都老人総合研究所, 研究員 (00270661)
高橋 秀雄 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80201599)
足立 和隆 筑波大学, 体育科学系, 講師 (70221041)
松村 秋芳 防衛医科大学校, 助手
濱田 穣 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (40172978)
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Keywords | 二足歩行 / 進化 / ヒト / 霊長類 / 個体発達 / 加齢 / 運動機能 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の通りである。木村(賛)は幼児歩行の実験からヒトを含む三種霊長類歩行の個体発達を縦断的に調べ、安定性獲得を検討している。足立は高齢者階段歩行時の下肢運動加速度を調べた。石田は自身発掘の中新世類人猿ナチョラピラクスの膝蓋骨をPQCTにより撮影し、現生霊長類と比較してロコモーション様式を推定した。岡田は前脛骨筋の筋電位伝導速度計測を行い、加齢による低下を確認した。木村(忠)はヒト72例の前脛骨筋筋繊維構成を調べ、男性は瞬発力を発揮する白筋型が多く、女性は赤筋型が多いことを見出した。熊倉は霊長類頸部筋群筋紡錘数を定量し、同時に同筋群の筋活動をヒトについて検討した。高橋はヒト四肢骨格標本作成の一環として骨盤のクリーニングと線計測ならびに三次元計測を行った。西澤は高齢者の前傾姿勢を調べ、虚弱な高齢者が移動速度の遅い着力点移動をなめらかに行えないことを見出した。濱田はチンパンジーとニホンザルの筋骨格系の成長・加齢についてレントゲン、DEXA、生体計測、MRIを用いて縦断・横断的データを解析した。松村はボノボ大腿骨骨幹の構造力学的特徴を調べ、ナミチンパンジーよりヒトや猿人化石に類似する面を見出した。山崎は三次元神経筋骨格モデルを用い、ヒトの腰仙角が二足歩行に適した骨盤運動の生成に有効であることを示した。 2001年2月10日〜11日の2日にわたり全員の出席のもとに班会議を開き、研究成果の発表と討論を行い、統合化をはかった。とくにヒトを含む霊長類の筋を中心として骨格と運動とを有機的に結びつけるモデルの構築へ進行しつつある。また成長と加齢についての研究も進んでいる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 長谷和徳,山崎信寿: "生体力学モデルによる大腰筋の機能解析"バイオメカニズム学会誌. 24(3). 163-167 (2000)
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[Publications] 名倉武雄,山崎信寿: "神経筋骨格モデルによるウマのトロット歩行シュミレーション"バイオメカニズム学会誌. 24(3). 159-162 (2000)
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[Publications] 八倉巻尚子,木村賛: "乳幼児の移動様式と下肢の筋発達"小児保健研究. 59(5). 577-584 (2000)
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[Publications] Kimura,T.: "Development of quadrupedal locomotion on level surfaces in Japanese macaques"Folia Primatologica. 71(5). 323-333 (2000)
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[Publications] 木村忠直: "数種霊長類における大腰筋の筋線維構築と組織化学的特徴"バイオメカニズム学会誌. 24(3). 141-147 (2000)
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[Publications] Hamada,Y. et al.: "Growth and development in Japansese macaques (Macaca fuscata): punctuated adolescent growth spart by season."Primates. 40(3). 439-452 (1999)
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[Publications] Okada,M. et al.: "Age-related Changes in the conduction velocity and spectoral variables of myoelectric signals detected from the tibialis anterior with surface electrode array. In : Electrophysiology and Kinesiology."Moduzzi Editore, Bologna.Eds.Mano,Y.and Okada, M.. 353-356 (2000)
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[Publications] 長谷和徳,西口純也,山崎信寿: "生体力学モデルと機能モデルによる絶滅哺乳類デスモスチルスの歩行復元(バイオメカニズム15)"東京大学出版会(バイオメカニズム学会編). 187-198 (2000)