1999 Fiscal Year Annual Research Report
金属中の超高速電子拡散・コヒーレントフォノン生成過程のナノスケールプロービング
Project/Area Number |
11305008
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 理 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30239024)
田村 信一朗 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80109488)
|
Keywords | 金属 / フェムト秒 / アモルファス / 膜厚 / フォノン / 超音波 / 干渉計 / ピコ秒 |
Research Abstract |
今年度は、パルス幅15fsの超高速レーザーシステムを構築し、それを用いて石英基板上の膜厚10nmのクロム薄膜について非平衡電子の拡散についての測定を行った。そして光パルス幅はオートコリレータで確認した。光学系は全て金ミラーで構成し、ポンプ光とプローブ光の波長は790nmを用いた。 これまでに、我々は電子分布関数の超高速変化および温度変化に起因する反射率変化の検出に成功している。今回、100fs時間スケールで見られる遅延加熱成分は、一般的に良く知られた二温度モデルでは説明できないことを見出した。 そして、我々は市販の鉄系磁性アモルファス金属試料(Honeywell METGLAS2605COおよび 2605SC)についての測定を行った。繰り返し周波数82MHz、波長415nm、パルス幅750fsのポンプ光パルスによって励起されたピコ秒領域の位相および反射率変化を、波長830nmの光を用いた干渉計により検出した。その測定結果は、試料における超高速熱拡散および熱膨脹を考慮して解析し、熱拡散係数を得ることができた。 さらに、アモルファス金属に用いたものと同様の手法を用いて、水銀中の縦波コヒーレントフォノンパルスの伝搬を調べ、また、ガラス水銀界面に発生する表面波のイメージングを行った。そしてこれらの表面波の音速を求めた。
|