2000 Fiscal Year Annual Research Report
LESモデルによる乱流燃焼火炎解析法の開発とその評価
Project/Area Number |
11305017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 敏雄 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50013206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐賀 徹雄 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30013220)
大島 まり 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40242127)
谷口 伸行 東京大学, 情報基盤センター, 助教授 (10217135)
新美 智秀 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (70164522)
坪倉 誠 東京工業大学, 総合理工学研究科, 講師 (40313366)
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Keywords | 燃焼流れ / 乱流 / 数値解析 / ラージ・エディ・シミュレーション / 予混合火炎 / バーナ火炎 / 画像処理計測 / ダイナミックSGSモデル |
Research Abstract |
本研究では、燃焼器内流れを対象に、LESを基礎とした乱流燃焼場の高精度な非定常解析手法を開発し、今後ますます制約条件が厳しくなるであろうエネルギ問題に対応しうる合理的な設計として導入することを目的とし、本年度を特に以下の研究を行った。 乱流燃焼火炎のモデリング:燃焼場に工業用燃焼器の高レイノルズ数火炎を想定して、乱流と火炎の相互干渉をFlamelet(層流火炎片)の概念で近似したLES火炎モデルについて検討および数値検証を行った。予混合火炎に対しては火炎面を追跡するG-方程式モデルをダイナミックSGSモデルの概念を用いて改良し、バックステップ後流の乱流火炎に適用して実験データと一致する結果を得た。また、非予混合火炎に対しては吹き上がり拡散火炎を近似できる2変数モデルを提案した。 乱流燃焼LESの数値解析法:噴流バーナ火炎の予測精度向上を取り上げ、特にLES解析における入口条件の設定法について検討した。その結果、乱流噴流の発達過程を支配する流入乱れ周波数を数値解析上で特定し、それを実験条件と適合させることで良好な予測が得られることを明らかにした。 乱流混合の検証実験:乱流燃焼LESと比較検証しうる参照実験データを得る目的で、申請者らの開発してきたPIV法やLIF法などの可視化手法による乱流変動場計測の技術と知見を燃焼器流れに適用した。今年度は特に、速度場と濃度、温度などの各種スカラー量の同時計測法を開発し、これらの相関量や高次統計量の計測に適用して精度評価を示した。 乱流火炎解析手法の評価検証:上記の成果に基づく乱流LESコードを試作し、工学問題への適用を想定した対象として、1)保炎器付き予混合燃焼器内流れ、2)発電火炉バーナの流れ、3)廃棄物ガス火炉の流れ、4)航空機ターボジェットエンジン燃焼器の流れ、に適用して、良好な予測結果を得た。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.Tsubokura: "Proper representation of the subgrid-scale eddy viscosity for the dynamic procedure in large eddy simulation using finite difference method"Physics of Fluids. vol13. 500-504 (2001)
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[Publications] 坪倉,小林,谷口: "差分法ダイナミックSGSモデルに適した等方渦粘性型SGSモデルの構築とその平板チャネル乱流における評価"機械学会論文集B編. vol.66. 1975-1983 (2000)
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[Publications] H.Hu,T.Saga,T.Kobayashi,N.Taniguchi: "Research on the Vortical and Turbulent Structures in the Lobed Jet Flow Using Laser Induced Fluorescence and Particle Image Velocimetry Techniques"Meas.Sci. Technol.11. 698-711 (2000)
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[Publications] A.Yoshizawa,K.Kobayashi,T.Kobayashi,N.Taniguchi: "A nonequilibrium fixed-parameter subgrid-scale model obeying the near-wall asymptotic constraint"Physics of Fluids. Vol.12 No.9. 2338-2344 (2000)
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[Publications] 雷康斌,谷口伸行,小林敏雄: "SGS成分のCouplingを考慮した固気混相チャンネル乱流のLES(ダイナミックSGSモデルの提案)"機械学会論文集B編. 66,651. 2807-2814 (2000)
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[Publications] 小林克年,谷口伸行,小林敏雄: "レイノルズ平均乱流モデルに基づく壁面境界条件のLESへの適用"日本機械学会論文集 B編. 66,651. 2780-2787 (2000)
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[Publications] T.Kobayashi,N.Taniguchi: "Large eddy simulation of turbulent flow in combustor"International Conference on Application of High-performance Computing in Engineering (Honolulu). (2000)
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[Publications] N.Park,T.Kobayashi,N.Taniguchi: "Applocation of Flame-Wrinkling LES Combustion Models to a Turbulent Premixed Combustion around Bluff Body"Int.Symposium on Turbulence, Heat & Mass Transfer (Nagoya). (2000)