2000 Fiscal Year Annual Research Report
物質と熱の再循環を統合した超クリーン・高効率燃焼システムの基礎学理の構築
Project/Area Number |
11305019
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡崎 健 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20124729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏信 一慶 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50280996)
平井 秀一郎 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 教授 (10173204)
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Keywords | 熱物質統合再循環 / クリーン・高効率燃焼システム / 脱硫 / 冷ガス効率 / 圧力 |
Research Abstract |
本研究では、物質再循環と熱再循環を統合することにより、燃料中に窒素分や硫黄分などを比較的多量に含む重低質燃料を、超クリーン(CO_2、NO_x、SO_xフリー)かつ高効率で燃焼あるいはガス化するシステムの基礎学理を構築し、これを体系化することにより、従来の既成概念から脱却した新しい地球環境保全型化石燃料有効利用システムを実現するための基礎を確立することを目的としている。 本年度は交付申請書の計画に従い、前年度に製作された実験装置を用いて、微粉炭燃焼における自動脱硫効率向上の検討を行い、そのメカニズムを解明するに至った。物質循環による高CO2濃度化と熱再循環による炉内温度上昇がこれに大きく寄与していることを特に記す。 さらに、同様な燃焼装置で酸素不足とすれば石炭のガス化が行われるが、熱の再循環により高温維持のための燃料の部分酸化の割合を減らすことにより、冷ガス効率の大幅向上が予想される。これについてはまず確認のために数値シミュレーションを行い、水の添加量を増加し熱再循環量を増加させることで計算上も冷ガス効率が向上することを予測した。また前年度に製作された装置を発展させた装置を新たに製作し、石炭の両者の実験が行える準備を行い、基礎的なガス化データを得た。 一方、検討の過程で、現実の燃焼・ガス化系を考える際には試料の昇温速度とならんで圧力が重要な検討項目としてあがった。加圧型示差熱天秤(購入備品)により周囲圧力を変化させたときのガス化パラメータについて検討するための基礎的な系を構築し、来年度以降の検討の準備をおこなった。また昇温速度についても同じ装置で検討が可能であり、この準備も行った。これらパラメータに対する依存性の本格的検討は来年度に譲るが、基本的にガス化特性が両者に依存するようすを確認している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 杉山,奥村,岡崎: "加圧下における石炭中窒素の熱分解挙動モデル"第38回燃焼シンポジウム講演論文集. 497-498 (2000)
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[Publications] Liu,Katagiri,Kaneko,Okazaki: "Sulfation Behavior of Limestone under High CO2 Concentration in O2/CO2 Coal Combustion"Fuel. 79-8. 945-953 (2000)