1999 Fiscal Year Annual Research Report
通信用共振素子の格段の高周波化を可能にする新しい圧電薄膜共振デバイスの研究
Project/Area Number |
11305025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 僖良 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姜 煕復 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20302185)
山田 顕 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80134021)
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Keywords | 圧電共振子 / 音響多層膜 / ZnO薄膜 / LiTaO_3結晶 / MBE |
Research Abstract |
本研究の目的は、20GHz程度の高周波まで使え高度集積化が可能な共振素子の開拓を目指して、λ/4音響多層膜を用いた新しい超高周波圧電薄膜共振デバイスの研究を行うことにある。本年度に得られた成果、知見を以下に要約する。 1.λ/4多層膜上にλ/2圧電膜を付けた構造について、伝搬損失を考慮した理論解析を行い、Q値及び電気機械結合係数Kを、音響インピーダンス比及び層数の関数として求めた。これにより、インピーダンス比が2程度の場合、音響多層膜の層数が6〜10程度で十分良好な共振特性が得られることがわかった。また、振動分布についても解析を行った。 2.各層の膜厚の誤差による共振特性のばらつきのシミュレ-ションを行い、膜厚ばらつきの影響でどの程度デバイス特性のばらつきや性能低下が起こるかを調べた。その結果、共振周波数には膜厚ばらつきより少し小さなばらつきが生ずるが、Q値のばらつきは非常に小さいことがわかった。 3.音響インピ-ダンスが大きく異なる2種類の薄膜材料の組み合わせを、音響損失、膜形成の容易さ、膜組成の変動の少なさ、などを考慮して検討し、3種類の組み合わせを選定した。 4.音響多層膜の形成法の検討を行い、ECR酸素プラズマ源を用いた分子線エピタキシー法を取り上げることにし、現在最適な形成条件を検討している。 5.圧電膜としてc軸が膜面に垂直に配向した縦波励振用ZnO膜を取り上げ、ECR酸素ビームを用いたMBE法によって成長させ、その結晶性をRHEEDやX線回折装置で評価した。その結果、非常に高品質なZnO単結晶膜が得られることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中村僖良: "ECR-MBE法によるLiTaO_3回転Yカット基板上へのZnO圧電膜の成長"日本音響学会講演論文集. 1037-1038 (1999)
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[Publications] 庄子竜也: "(110)ZnO/(012)LiTaO_3構造におけるSH型弾性表面波の解析"日本音響学会講演論文集. 1037-1038 (1999)
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[Publications] 小林英晃: "音響多層膜を用いたλ/4モード構成の圧電薄膜共振子の解析"1999電子情報通信学会総合大会. 275 (1999)
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[Publications] 小林英晃: "音響多層膜を用いた圧電薄膜共振子の解析"USE99 第20回 超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演予稿集. 65-66 (1999)
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[Publications] H.Kanbara: "Analysis of Piezoelectric Thin Film Resonators with Acoustic Quarter-Wave Multilayers"Jpn.J.Appl.Phys.. 30,No5 B. 発表予定 (2000)
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[Publications] 庄子竜也: "ECR-MBE法によるLiTaO_3回転Yカット上への(110)ZnO薄膜の成長とその極性判別"日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会第66回研究会資料. 9-12 (2000)