1999 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟なスピンクラスター配列からなる超高密度磁気記録メディアの研究
Project/Area Number |
11305027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 慶久 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (50006235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 功 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10302233)
島津 武仁 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (50206182)
村岡 裕明 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20239479)
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Keywords | 超高密度磁気記録 / 垂直磁気記録 / スピンクラスター / 活性化体積 / 残留保磁力 |
Research Abstract |
従来とは異なるニュークリエーション的な磁化機構を示すスピンクラスター配列を実現するためには、磁化の熱情乱の影響を考慮しながら、粒子の大きさ・形状と、粒子の磁化機構、活性化体積等等の関係をまず明らかにする必要がある。本年度は、これらの関係を明らかにすることを目指した。 まず、Tiシード層を用いて作製したCoCrTa垂直薄膜について、その構造、磁気特性の膜厚依存性を検討した。その結果、磁化の熱情乱を補正した場合の残留保磁力、異方性磁界の70〜90%に達することが明らかとなった。このことは、CoCrTa等のグラニュラー系垂直膜では、組成・構造などの制御により熱安定性を高くすることで、その残留保磁力を異方性磁界に近い値まで増加できる高いポテンシャルを持つことを示しており、安定なスピンクラスターの形成が可能であることを示している。また、30nm以下の膜厚では、膜厚の低下により、活性化体積が結晶粒体積の変化に沿いながら単調に減少することが明らかとなった。これらの試料の面内方向の平均粒径が10nm程度であることを考慮すると、このことは、粒子の寸法比が3程度以下になると粒子内部では、ほぼコヒーレントな磁化スイッチングを生じていることを示唆しており、薄膜の高保磁力化に優位であることを示している。また、30nm以下の膜厚では、結晶粒径がスピンクラスターの最小構成単位となることを意味する。さらに、この結果は、膜厚を粒径の3倍程度の大きさに維持することで高い熱安定性を保つことが可能であることを示している。このような知見は、CoPt系グラニュラー薄膜でも同様であり、熱安定性に優れた柔らかいスピンクラスター配列を実現するためには、このような粒子形状・大きさ・膜厚の関係が重要であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 島津武仁: "CoCrTa垂直磁気記録媒体の磁化の熱情乱と磁気特性"日本応用磁気学会誌. 24・4-2(印刷中). (2000)
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[Publications] T.Shimatsu: "Effect of a Ti seed layer on the magnetic properties of CoCrTa double-layered perpendicular media"Journal of Applied Physics. 87・8(印刷中). (2000)