2001 Fiscal Year Annual Research Report
誘電体セラミック/高分子系フォトニック結晶の作製とマイクロ波制御材料への応用
Project/Area Number |
11305046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 欽生 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (60107084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 聖二 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (10144528)
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Keywords | フォトニック結晶 / フォトニックバンドギャップ / 光造形法 / 誘電体 / マイクロ波・ミリ波 / 電磁波制御 / CAD / CAM / 傾斜構造 |
Research Abstract |
誘電体により三次元の格子構造を形成して電磁波を入射させるとき、波長と結晶周期が同程度になる周波数帯では、干渉作用により波の伝播が禁止される。誘電体格子はフォトニック結晶と称され、電磁波の禁止帯はフォトニックバンドギャップと称される。結晶構造を電磁気理論に基づいて設計すれば、光やマイクロ波を自在に制御できるため、新しい形態の機能材料として注目されている。我々はこれまでに、CAD/CAMの一種である光造形法を用いて、チタニア/エポキシ系複合材料からなる三次元格子構造を形成し、マイクロ波制御用のフォトニック結晶を作製した。本年度における研究では、全ての結晶方位に対して幅広いバンドギャップを形成するダイヤモンド構造を採用した。理論計算により作成した電磁バンド図を基に、結品の構造制御を行い、全方向からの電磁波を反射する完全バンドギャップの形成を目指した。チタニア系球状粒子を混合した光硬化性樹脂の液面に紫外線レーザーを走査し、硬化相を連続的に接合することで三次元フォトニック結晶を作製した。誘電体円柱を三次元的に組み合わせ、格子型ダイヤモンド構造を作製した。また誘電体中に空気格子を三次元的に配置し、反転型ダイヤモンド構造も作製した。格子型および反転型ダイヤモンド構造に対して電磁波透過率を測定した結果、特定周波数帯における急激な減衰が観察された。これらの減衰帯は誘電率の周期構造により回折が起こると見積もられる周波数と良く一致しており、結晶構造によるフォトニックバンドギャップの形成が確認された。特に反転型ダイヤモンド構造の場合では、完全バンドギャップの形成が確認された。以上の電磁波特性は平面波展開法による理論計算と良い一致を示し、ダイヤモンド型フォトニック結晶の構造設計に対しても有効な手法が確立されたと考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Kirihara, Y.Miyamoto: "Fabrication of Ceramic/Polymer Photonic Crystals by Stereolithography and Their Microwave Properties"Journal of the American Ceramic Society. (In Printing).
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[Publications] S.Kirihara, Y.Miyamoto: "Fabrication of Electromagnetic Crystals with a Complete Diamond Structure by Stereolithography"Solid State Communications. Vol.121. 435-439 (2001)
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[Publications] 桐原聡秀, 宮本欽生: "光造形法によるセラミック/高分子系ダイヤモンド型フォトニック結晶の作製と構造制御"光学. 30・6. 381-385 (2001)
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[Publications] 桐原聡秀, 宮本欽生: "ミリ波通信用3次元フォトニック結晶の創製と応用"マテリアルインテグレーション. 14・8. 21-26 (2001)
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[Publications] 桐原聡秀, 宮本欽生: "三次元フォトニック結晶の構造制御と電磁波特性"マテリアルステージ. 1・11. 6-12 (2001)
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[Publications] 桐原聡秀, 宮本欽生: "光造形法"実験力学. 1・4. 30-31 (2001)
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[Publications] 桐原聡秀, 宮本欽生(川上彰二郎監修): "フォトニック結晶技術とその応用"シーエムシー出版. 80-89 (2002)