1999 Fiscal Year Annual Research Report
Ag添加Sm123超伝導永久磁石材料の性能向上と着磁技術に関する研究
Project/Area Number |
11305051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水谷 宇一郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00072679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 恒博 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00293655)
生田 博志 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (30231129)
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Keywords | 超伝導永久磁石 / Sm123超伝導体 / Ag添加Sm123超伝導体 / パルス着磁 |
Research Abstract |
本研究は超伝導体を着磁して得られる超伝導永久磁石で、従来の永久磁石では得られない5-10テスラの安定した磁場を安価に供給するシステムを開発することにある。そのための第1目標はより高い磁場を発生する超伝導材料の開発であり、第2目標はパルス着磁技術の精緻化である。平成11年度の研究では、捕捉した磁力線が生み出す電磁力により試料が破壊することを確かめ、超伝導材料の機械的特性を向上させることが急務であると結論し、クラックの発生を押さえるためボイドの少ない組織を得る研究を行なった。溶融初期待に真空してボイドを消滅させた後、低酸素圧処理する方法及び大気圧に近い酸素圧下で溶解して後、低酸素処理する方法を試みた。いずれの方法でもボイドを著しく低減することに成功したが、超伝導特性の劣化が回避出来ないことが明らかとなり、さらなる検討を加えることとなった。 第2に、高い磁場を発生するために超伝導体を着磁する方法の改善を試みた。10テスラを越える磁場は超伝導線材を用いた大型電磁石かパルス法でのみ発生可能である。前者は静磁場であるが、このような大型磁石で着磁することは超伝導永久磁石を普及する上で不利であり、パルス着磁こそ超伝導永久磁石の開発に不可欠である。しかし、パルス磁場は超伝導体内に侵入した磁束線を高速で運動させるため粘性力による発熱が生じこれが原因となって着磁率を低下させる欠点を持つ。ピン止め力の強いSm(Ag)123超伝導体に対して軟磁性体で出来たヨークを組み込み、しかもイムラ法と称するパルス着磁法を考案して着磁率を50-70%まで高める技術を開発することに成功した。これで、パルス磁場で数テスラの磁場を発生する超伝導永久磁石システムが実現出来る見通しがついた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Uichiro Mizutani: "Synthesis of c-axis oriented single-domain Sm123 superconductors capable of trapping 9Tesla at 25K and its application to a strong magnetic field generator"Materials Science and Engineering B. 65. 66-68 (1999)
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[Publications] 水谷 宇一郎: "超伝導永久磁石の開発に関する現状"Journal of the Japan Society of Powder and Powder Metallurgy. Vol.46,12. 1241-1248 (1999)
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[Publications] 水谷 宇一郎: "捕捉磁場マグネットの低温パルス着磁とその応用"低温工学. Vol.34,No.11. 116-123 (1999)
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[Publications] Uichiro Mizutani: "Synthesis of C-axis oriented RE-Ba-Cu-O (RE=Sm and Nd) Superconductors and performance of superconducting permanent magnets activated by pulsed fields"International Symposium on Superconductivity (Morioka). (1999)
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[Publications] Uichiro Mizutani: "Applications of the superconducting permanent magnets driven by Static and Pulsed magnetic field"Second Int. Workshop on the processing and applications of superconducting large grain materials(10月19-22日、盛岡). (1999)
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[Publications] Uichiro Mizutani: "Synthesis of C-axis oriented Sm123 Superconductors and their performance as superconducting permanent magnets"Phyica C. (印刷中). (1999)