2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境汚染有機ハロゲン化合物の高感度・迅速・簡易計測システムの開発
Project/Area Number |
11305060
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今任 稔彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50117066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城之園 恵子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20260713)
正留 隆 有明高専, 物質工学科, 助教授 (30190341)
浅野 泰一 八戸高専, 物質工学科, 教授 (80311108)
丹羽 修 NTT, 基礎研究所, 環境分析グループ長
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Keywords | 有機ハロゲン化合物 / 表面プラズモン共鳴センサ / 高感度計測 / 簡易計測 |
Research Abstract |
環境汚染成分である有機ハロゲン化合物を高感度に、また迅速簡便に測定する計測システムの開発を目的とし、表面プラズモン共鳴(SPR)現象を利用するセンサシステムを開発している。本年度得られて成果は下記の通りである。 (1)金薄膜への抗体固定化の検討 前年度作製した24-ジクロロフェノールに対する抗体を、金薄膜上に固定化する方法を検討した。牛血清アルブミンを物理吸着させた金表面にプロテインGを結合し、この上に抗体を結合させた。また、生合成した金親和性のペプチドを金薄膜表面に吸着させ、上記と同様にプロテインGを介して抗体を結合させた。上記2通りの操作におけるSPR信号の測定から、後者の場合により高密度に抗体が結合することが分かった。 (2)センサ感応膜の感度と選択性の検討 (1)で作成した感応膜のジクロロフェノールの異性体に対する応答を調べたところ、3,4-異性体は2,4-異性体の1/3程度の感度を示したが、他の異性体に対する応答性は無視できる程度であった。 牛血清アルブミンを結合した24-ジクロロフェノールコンジュゲートを合成し、これと24-ジクロロフェノールの競合法により、(1)の感応膜の応答性を検討した。その結果、24-ジクロロフェノールの濃度の増加に対して、SPR信号が減少する指数関数的な検量線が得られ、24-ジクロロフェノールの検出に対して、検出下限濃度が約5ppbであることが分かった。 (3)ポータブル型表面プラズモンセンサの試作 昨年に引き続き、センサのポータブル化のために、小型の表面プラズモンセンサを試作した。また、脱着が容易な試料セルを試作した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大浦博樹: "フローインジェクション/電位差分析法によるクロム(VI)とクロム(III)の逐次定量"分析化学.. 49巻. 59-64 (2000)
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[Publications] 城之園恵子: "フローインジェクション/吸光光度分析法による潤滑油中の全酸価測定"分析化学.. 49巻. 189-194 (2000)
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[Publications] T.Masadome: "Relationship between Hydrophobicity of Cations and the Cationic Response of a Plasticized Poly (vinyl chloride) Membrane Electrode with no Added Ion-Exchanger"Analytical Sciences. 16巻. 383-389 (2000)
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[Publications] T.Imato: "Potenitiometic Flow Injection Analysis of Concentrated Hydrogen Peroxide by Using an Fe(II)-Fe(III) Redox Potential Buffer Solution"Talanta. 52巻. 19-26 (2000)
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[Publications] 今任稔彦: "イオンセンサ第5版「電気化学便覧」"丸善. 4 (2000)