2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11305073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江原 幸雄 九州大学, 工学研究院, 教授 (10002346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西島 潤 九州大学, 工学研究院, 助手 (40315114)
糸井 龍一 九州大学, 工学研究院, 助教授 (50108768)
藤光 康宏 九州大学, 工学研究院, 助教授 (10264095)
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Keywords | 火山エネルギー / 地熱エネルギー / 熱抽出 / 噴火 / 火山 / 九重火山 / モニタリング |
Research Abstract |
大分県の九重火山地域において、自然状態における天山体内部の熱エネルギー・歪みエネルギーの蓄積・放出過程を詳細に計測するとともに、火山活動把握のための各種観測を継続した。また、噴気地域に約50mの実験用ボーリング孔を掘削し、温度の連続観測を開始した。得られた主な観測結果は以下の通りである。 1.地震観測の結果は九重火山中心部直下1km深以内程度の深さに1日数回程度の微小地震が発生していることが確認された。1995年噴火後次第に地震数は増加し、噴火数年前の状態に戻りつつあることが、改めて確認された。 2.GPS観測の結果、九重火山中心部は沈降の状態が継続している。この傾向は噴火後一貫している。 3.山腹における高精度傾斜計による観測では、これまで傾斜変動の中心は火山体中心部にあったが、最近になって、変化の兆しを見せており、引き続き観測を継続中である。 4.重力変動の観測結果は火山体中心部地域で増加傾向に転じている観測点がある。 5.地磁気観測の結果は、火山体中心部地下で引き続き冷却傾向にあることを示している。 6.噴気温度は引き続き低下傾向にある。 7.火山ガス中のHCl放出量は噴火後一貫して低下傾向にある。 以上のように、九重火山は1995年噴火後、次第に噴火前の状態に戻りつつあるが、新しい傾向も見られる。引き続き火山体内部の状態を把握するためのモニタリングを継続する予定である。 また、噴気地域において約50m深のボーリング孔の掘削を行い、火山噴気の採取に成功するとともに、土壌試料を採取した。現在、分析中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 江原幸雄, 藤光康宏, 西島 潤: "九重火山1995年噴火前後の諸量の変化"月刊 地球. 23巻8号. 528-534 (2001)
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[Publications] 江原幸雄: "Thermal processes and production of porphyry ore deposits beneath the active fumarolic field of Kuju volcano, central Kyushu, Japan"Proc. Int. Symp. on Gold and Hydrothermal Systems. 123-128 (2001)
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[Publications] 坂村望, 西島 潤, 藤光康宏, 江原幸雄: "八丁原地熱地域及び九重火山地域におけるGPS観測による地熱貯留層モニタリング"九大地熱・火山研究報告. 第10号. 97-106 (2001)
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[Publications] 濱田拡, 篠原謙治, 江原幸雄, 藤光康宏, 西島 潤: "九重火山1995年噴火後の地震観測及び熱的観測"九大地熱・火山研究報告. 第10号. 107-115 (2001)
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[Publications] 平尾龍也, 松原英子, 藤光康宏, 西島 潤, 江原幸雄: "FT-IRによる九重火山における火山噴気の遠隔観測"九大地熱・火山研究報告. 第10号. 122-127 (2001)
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[Publications] 山下弘修, 西島 潤, 江原幸雄: "大分県九重火山における高精度傾斜観測"九大地熱・火山研究報告. 第10号. 128-134 (2001)