2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11306002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋田 重誠 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10251498)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中園 幹生 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70282697)
|
Keywords | シアン耐性呼吸 / オールターナティブオキシデース / 発熱 / 環境ストレス耐性 / 作物収量 / ^<18>Oディスクリミネーション |
Research Abstract |
シアン耐性呼吸の反応速度を^<18>Oディスクリミネーション法により測定するシステムを確立し、これを用いてイネのシアン耐性呼吸反応系、反応速度の変動の実態を把握した。 本年度は、生育時期、葉令、日変化について測定した。その結果、全呼吸速度にしめるシアン耐性呼吸速度の比率は生育初期には著しく低いが生育後半になると大きくなること、1日のうちでの変化は小さいことなどを明らかにした この結果は、シアン耐性呼吸は成長の大きい時には少なく、成長速度が小さい場合には高くなることを示しており、生長効率の低下にある程度関与する可能性が明らかとなった。(秋田) 塩ストレスおよび乾燥ストレスに対するイネAOX1a、AOX1b遺伝子の発現応答を調査した。どちらの処理においても、イネ幼苗の葉、根におけるAOX1a、AOX1b遺伝子の転写が誘導されることが明らかになった。 一般的に塩、乾燥ストレスに対する植物遺伝子の発現応答には、植物ホルモンであるABAの関与が知られている。そこで上記のストレスに対するAOX遺伝子の発現応答にABAが関与しているかどうかを確かめるために、イネ幼苗にABA処理を行い、AOX遺伝子のノーザン解析を行った。その結果、ABA処理を行ってもAOX遺伝子の発現には変化がなく、塩、乾燥ストレス条件下におけるAOX遺伝子の発現応答は、ABAの関与しない経路によって制御されていることが示唆された。 イネにAOXを大量発現させることによって、種々の環境ストレスに対する抵抗性が付与される可能性が考えられたので、その可能性を検証するために、AOX1aおよびAOX1bを大量発現させた形質転換イネを作出した。本年度、T1世代の植物を育成したので、平成13年度には、これらの形質転換イネに環境ストレス耐性を付与できたかどうかを調査する。(中園)
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Saisho,D.,M.Nakazono,N.Tsutsumi & A.Hirai: "ATP synthesis inhibitors as well as respiratory inhibitors increase steady-state level of alternative oxidase mRNA in Arabidopsis thaliana."J.Plant Physiol.. 158. 241-245 (2001)
-
[Publications] Tsuji,H.,M.Hakazono, et al.: "Transcript levels of the nuclear-encoded respiratory genes in rice decrease by oxygen deprivation : evidence for involvement of calcium in expression of the akternative oxidase la gene."FEBS Letters. 471. 201-204 (2000)
-
[Publications] Saisho,D.,M.Nakazono,K.H.Lee,N.Tsutsumi,S.Akita, et al.: "The gene for alternative oxidase-2(AOX2) from Arabidopsis thaliana consists of five exons unlike other AOX genes and is transcribed at an early stage during germination."Genes Genet.Syst.. (in press) .