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1999 Fiscal Year Annual Research Report

分子生物学的解析による森林昆虫類の個体群分化と伝播経路の解明

Research Project

Project/Area Number 11306010
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

久保田 耕平  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30272438)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 加賀谷 隆  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50214250)
Keywordsオオオサムシ亜属 / スギカミキリ / クリタマバチ / ミトコンドリアDNA / ND5 / COII / 交雑 / 遺伝子浸透
Research Abstract

オオオサムシ亜属の種間関係については、側所的に分布するアオオサムシとシズオカオサムシの分布境界線を中心に解析を行った。2種の境界付近では、部分的に同所的となり、雑種と判断される個体も捕獲された。ミトコンドリアDNAのND5領域約1000bpの塩基配列により、形態による分布境界線とミトコンドリアDNAの分布境界線が数kmから十数kmずれていて、形態的にはシズオカオサムシながらアオオサムシ由来のミトコンドリアを持つ集団が帯状に分布していることが明らかになった。これは2種の交雑とそれに続く戻し交雑の結果、ミトコンドリアが形態上の主を超えて浸透したことを示し、網目状進化の一端が明らかとなった。また、淘汰的に中立に近いと考えられるミトコンドリアが、分布境界付近で多型を示すのではなくて、一方向(アオオサムシの分布域からシズオカオサムシの分布域へ)に浸透していることがわかった。
森林害虫に関しては、日本国内6地点(岩手県〜島根県)のスギカミキリ、韓国国内3地点のクリタマバチについて、ミトコンドリアDNAのCOII領域約260bpの塩基配列を調べたところ、それぞれの種内で塩基置換がまったく認められなかった。このことはこれらの種が捕獲範囲内で、比較的新しい時代に分布域を広げた可能性を示唆する。従来スギカミキリは移動力に乏しく、形態的な地理的変異にも富むため、最終氷期のスギの退避地から各地に分散した遺伝的に異質性の高い種であるである可能性が指摘されていた。
水生昆虫に関しては、解析対象の種と遺伝子マーカーの選定中である。

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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