2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11307008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
勝又 義直 名古屋大学, 医学部, 教授 (30109326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 研祐 名古屋大学, 法学部, 教授 (00107492)
打樋 利英子 名古屋大学, 医学部, 助手 (20223571)
山本 敏充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50260592)
ぬで島 次郎 三菱化学生命科学研究所, 社会生命科学研究室, 主任研究員
尾畑 伸明 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教授 (10169360)
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Keywords | 親子鑑定 / データベース / ガイドライン / STR |
Research Abstract |
親子のトリオの資料について、現段階でSTRキットとして標準的に用いられている十数種類のローカスを用い、突然変異率の推定を行なった。その結果、1ローカスのみが否定となり突然変異が疑われる例を5例発見した。個々のローカスの突然変異率は例数が少ないので算出が困難であるが、十数個のローカスシステムとして計算すると、従来報告されている数STRローカスの突然変異率とほぼ見合う突然変異率であった。この結果は平成12年12月7日に開催された第9回日本DNA多型学会で発表した。なお、さらにこれらの孤立否定例を詳細に検討すると、プライマー部位のsingle nucleotide pokymorphism(SNP)に起因する見かけ上の突然変異(アリルドロップアウト)と判明したものが3ローカス見出された。従って、突然変異率の算出にあたってはSNPによるアリルドロップアウトを除外することが必要と考えられた。また、突然変異があったと考えられた場合の確率計算については、アメリカ血液銀行協会のマニュアル等により、推定突然変異率を考慮して実施すべきことも示した。そのような場合には、paternity index(PI)が大きく減少するので、追加検査をして十分に高い父権肯定確率(99.99%程度以上)を得るか、あるいは否定するよう努めるべきことを示した。そして、これまでの研究のまとめとして、DNA鑑定のあり方や確率計算の手法、データベースの検定や適切な用い方を整理し、総説等にまとめることを予定している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Yoshimoto: "A new triplex STR system without irregular alleles by silver staining and its potential application to forensic analysis."J.Forensic Sci.. 46(in press). (2001)
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[Publications] T.Yamamoto: "The application of minisatellite variant repeat mapping by PCR (MVR-PCR) in a paternity case showing false exclusion due to STR mutation."J.Forensic Sci.. 46(in press). (2001)
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[Publications] M.Tanaka: "Usefulness of a toothbrush as a source of evidential DNA for typing."J.Forensic Sci.. 45(3). 674-676 (2000)