2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11307010
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 健一 金沢大学, 医学部, 教授 (70019933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 安成 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (40293352)
本多 政夫 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (00272980)
金子 周一 金沢大学, 医学部, 助教授 (60185923)
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Keywords | 肝細胞癌 / Genomics / SAGE / DNAチップ / 遺伝子発現パターン / クラスター解析 / 肝臓特異的DNAチップ |
Research Abstract |
I:SAGE 慢性肝炎、高分化型肝細胞癌のSAGEが終了し、それぞれにおける遺伝子発現プロファイルを明らかにした(BBRC in print)。既に終了していた正常肝のSAGE libraryとあわせ、約9万の転写産物を解析し、24,464のユニーク遺伝子を同定した。このうち30.2%はGenBank未登録の未知の遺伝子であった。24,464遺伝子のうち5,771(13.6%)遺伝子は慢性肝炎組織においてのみ発現が認められ、8,871(36.3%)遺伝子は高分化肝細胞癌においてのみ発現が認められることを見いだした。正常肝、慢性肝炎、高分化型肝細胞癌のSAGE libraryを比較することによって、それぞれに特徴的に発現増強あるいは減少している遺伝子を同定し、慢性肝炎、肝細胞癌と進展するに伴って変化する遺伝子発現プロファイルを明らかとした。現在、このようにして同定された未知の遺伝子のクローニング及び機能解析を行っている。 さらに、SAGE libraryより少なくとも2ヒット以上認めた4,465遺伝子を選択し、次世代の肝臓特異的DNAチップを作成するための候補遺伝子とした。 II:DNAチップ 約1200遺伝子のDNAチップを用いて、慢性肝炎、肝細胞癌細胞株、肝細胞癌の解析を行った。慢性肝炎においてはB型およびC型慢性肝炎組織において、同様の病理組織像を示すにもかかわらず、クテスター解析によって対照的な遺伝子発現パターンを示すことを明らかとした(Hoda et al.Gastroenterology)。肝細胞癌細胞株では不死化正常肝細胞株と比較して9〜19%の遺伝子で有意は発現変化を認めるのみならず、肝臓の脱分化マーカーでありかつ腫瘍マーカーであるα-fetoprotein(AFP)陽性の肝癌細胞株は陰性の肝癌細胞株と比較して共通の遺伝子発現パターンを持つことを明らかにした。さらにAFPと最も発現パターンが類似している18遺伝子を同定し、その解析を行っている(Kawai et al.Hepatology)。肝細胞癌においては、10例の肝細胞癌症例の癌部、非癌部の遺伝子発現をDNAチップを用いて解析し、半数以上の肝細胞癌組織で発現増強している10遺伝子ならびに発現減少している9遺伝子を同定した。また、肝細胞癌の分化度と相関して発現が変動する22遺伝子を同定した(Shirota et al.Hepatology in print)。さらに、肝細胞癌に特異的な遺伝子発現パターンを約8000遺伝子のDNAチップを用いて解析中である。この中から、肝癌と肝硬変組織において発現パターンが異なる1668遺伝子を同定し、次世代の肝臓特異的DNAチップを作成するための候補遺伝子とした。
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[Publications] Yamashita,T.,Hashimoto,S.,Kaneko,S.,Nagai,S.,Toyoda,N.,Suzuki,T.,Kobayashi,K.,Matsushima,K: "Comprehensive gene expression profile of a normal human liver"Biochem Biophys Res Commun. 269・1. 110-116 (2000)
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[Publications] Honda,M.,Kaneko,S.,Kawai,H.,Shirota,Y.,Kobayashi,K.: "Differential Gene Expression Between Chronic Hepatitis B and C Hepatic Lesion"Gastroenterology. 120・4. 955-966 (2001)
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[Publications] Kawai,H.F.,Kaneko,S.,Honda,M.,Shirota,Y.,Kobayashi,K.: "alpha-fetoprotein-producing hepatoma cell lines share common expression profiles of genes in various categories demonstrated by cDNA microarray analysis"Hepatology. 33・3. 676-691 (2001)
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[Publications] Shirora,Y.,Kaneko,S.,Honda,M.,Kawai,H.F.,Kobayashi,K.: "Identification of differentially expressed genes in hepatocellular carcinoma with cDNA microarrays"Hepatology in print. 33・4. (2001)
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[Publications] Yamashita,T.,Kaneko,S.,Hashimoto,S.,Sato,T.,Naga,S.,Toyoda,N.,Suzuki,T.,Kobayashi,K.,Matsushima,K.: "Serial analysis of gene expression in chronic hepatitis C and hepatocellular carcinoma"Biochem Biophys Res Commun. (in print).