2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNApooling法をもちいた関連研究による分裂病候補領域のゲノムスキャン
Project/Area Number |
11307014
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
南光 進一郎 帝京大学, 医学部, 教授 (60101127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 勝士 東京大学, 医学系・大学院, 教授 (40163977)
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Keywords | 統合失調症 / ゲノムスキャン / 1番染色体 / デルタAIP / プーリング |
Research Abstract |
平成11-12年は9番染色体動原体領域の12のマーカーについて、DNAプーリング法を用いたゲノムスキャンをおこなった結果、DNAプーリング法は、迅速な初期スクリーニングとして有効であることが示唆された。この結果にもとづいて昨年度と本年度は1番染色体動原体領域の31のマーカーについてスキャンした。 対象:DSM-IVによって統合失調症と診断された100名と健常対照群100名 方法:おのおの100名ずつのDNAサンプルを約10ng/μlの濃度にする。オートメイティッドDNAシークエンサーのGENE SCANで得られたイメージをGENOTYPERで分析した。デルタAIP値にもとづくP値はDaniels et al.(Am.J.Hum Genet 1998)にしたがって計算した。すなわちデルタAIP=Dif/Dif+Comとした。 結果:31のマーカーのうち15のマーカーで結果が得られた。このうち10のマーカーにおいてデルタAIP値自体が大きくなり、デルタAIPのP値は、5%水準に達した。5%水準に達しなかった5つのマーカーにおいてもP値はほぼ5%に近い。たとえば目視でDIS2626やDIS2346は対照群と罹患群はほぼひとしいイメージが得られているが、AIPのP値は0.0824と0.0598となり有意水準にきわめて近い値を示した。DIS2768、DIS2844、DIS2696、DIS206のイメージでも両群に大きな違いはないようであるが、有意差を示した。それ以外の16マーカーでは多峰性のピークがみられ、そのままでは高いデルタAIPが得られたが、これは偽陽性結果と考えられる。このトラブルについて調査を行ったが原因を解明できなかった。可能性としてはロードするDNA量の調節が関係するようで、少なすぎれば検出できず、多すぎると多峰性となるようであった。
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