2001 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障の新治療法―臨床に即応用可能な眼圧下降局所循環改善及び神経保護薬の開発―
Project/Area Number |
11307036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新家 眞 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (00092122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 賢治 山梨医科大学, 医学部・附属病院眼科, 講師 (30194723)
鈴木 康之 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80196881)
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Keywords | 緑内障 / 眼圧下降 / 視神経乳頭血流 / 網膜神経細胞死 / 実験的緑内障 / 神経保護 / 培養網膜神経節細胞 / グルタミン酸 |
Research Abstract |
Na^+-HCO_3-cotransporterの眼組織における役割に関する実験を行った。まず、Na^+-HCO_3-cotransporter(NBC-1)の腎型(kNBC-1)および膵型(pNBC-1)アイソフォームそれぞれに特異的な抗体を作製し、ヒトおよびラット眼球にて免疫組織学的検討を行った。その結果、この二つのNBC-1アイソフォームが共に角膜内皮、レンズ上皮、および繊維柱帯に発現していることを確認した。NBC-1の活性低下が繊維柱帯細胞の機能異常を引き起こし、そのため眼房水の排出不全を呈する可能性が示唆された。 また、視神経乳頭微小循環のautoregulationに関する実験を家兎を用いて眼圧を急激に下降させることにより行った。視神経乳頭血流は急速な眼圧下降に対して一定に保たれていた.その反応は短時間に発現し,カルシウム拮抗剤により減弱されたが,NOS阻害剤,インドメタシン,交感神経切除によっては影響を受けなかった.これらの結果から視神経乳頭血流が眼圧下降に対して一定に保たれる働きには血管平滑筋が関与するが,交感神経系は関与しないことが示唆された。 さらに、ラットグルタミン酸負荷モデルに対するPylidoxal hydrochlorideの網膜神経保護効果の検討を行ったが、本実験系では有意な神経保護作用を認めなかった。 網膜神経節細胞死に対するグリア細胞の関与について検討した。網膜グリア細胞特にミュラー細胞を培養し低酸素および高圧負荷をかけたときの一酸化窒素(NO)の産生および各種神経栄養因子の発現を見た。その結果、低酸素負荷ではeNOSの発現、高圧負荷ではiNOSの発現が亢進し、またいずれの刺激でも神経栄養因子の発現は低下した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kenji KASHIWAGI: "Effects of retinal glial cells on isolated rat retinal ganglion cells"Investigative Ophthalmology & Visual Science. 42・11. 2686-2694 (2001)
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[Publications] Kenji KASHIWAGI: "Action for nitric oxide on purely isolated retinal ganglion cells"Current Eye Research. 23・4. 233-239 (2001)
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[Publications] Tomohiro USUI: "Molecular basis of ocular abnormalities associated with proximal renal tubular acidosis"The Journal of Clinical Investigation. 108. 107-115 (2001)
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[Publications] Yasuhiro TAMAKI: "Optic nerve circulation after intraocular pressure reduction achieved by trabeculectomy"Ophthalmology. 108・3. 627-632 (2001)
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[Publications] Miyuki NAGAHARA: "The acute effects of satellate ganglion block on circulation in human ocular turdus"Acta Ophthalmologica Scandinavica. 79・1. 45-48 (2001)