2000 Fiscal Year Annual Research Report
海洋環境におけるメタンガスの起源とフラックスの解明
Project/Area Number |
11308020
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
蒲生 俊敬 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70143550)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
角皆 潤 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50313367)
岡田 尚武 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80111334)
石橋 純一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20212920)
吉田 尚弘 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60174942)
|
Keywords | メタン / 海底熱水活動 / 炭素同位体比 / マリアナトラフ / 水曜海山 / 海形海山 / アデン湾 / 地下生物圏 |
Research Abstract |
海底熱水活動に付随するメタンガスに注目して研究を継続した.海洋科学技術センター「かいれい/かいこう」KR00-03航海(2000.5.26〜6.11)によって南部マリアナトラフ,海洋科学技術センター「なつしま/しんかい2000」NT00-12航海(2000.11.4〜11.16)によって水曜・海形海山(伊豆・小笠原島弧域),および東大海洋研白鳳丸KH-00-5航海(2000.12.4〜2001.1.12)によってインド洋アデン湾海底拡大軸を調査した.南部マリアナトラフにおいては新たな海底熱水活動(仮称TOTOカルデラ)を発見し,水曜・海形海山とあわせ多数の熱水試料を回収した.これらの試料の主要化学成分と気体成分(CO_2およびCH_4)の濃度を測定し,気体成分については炭素同位体比を初年度に購入した質量分析計によって測定した.水曜海山では、CO_2およびCH_4の炭素同位体比は地下の高温環境下(800℃以上)における同位体平衡時の同位体比をそのまま保存して海底まで到達しているものと考えられ,メタンの同位体比(δ^<13>C)は-4〜-5(‰PDB)と重い値を示した。一方,海形海山と南部マリアナトラフTOTOカルデラのメタンは,約-40‰という比較的軽い炭素同位体比を示した.これらの海域では海底下の生物活動(地下生物圏?)によるメタン生成の効果が付加されている可能性がある.なお,インド洋アデン湾においてはホットスポット海山の火成活動に伴う海底熱水系を新たに発見し,熱水プルーム試料を回収した.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 蒲生 俊敬: "日本海の底層に無酸素化する?"科学. 70・5. 376-380 (2000)
-
[Publications] U.Tsunogai et al.: "Carbon isotopic distribution of methane in deep-sea hydrothermal plume, Myojin knoll ealdera, Jzu-Bonin arc."Geochim. Cosmochim. Acta. 64・14. 2439-2452 (2000)
-
[Publications] U.Tsunogai et al.: "Carbon isotopic evidence of methane oxidation through sulfate reduction in sediments beneath cold seep vents at Nankai Traugh."Mar.Geol.. (in press).
-
[Publications] R.Matsumoto et al.: "Occurrence, structure and composition of natural gas hydrates recovered from the Blake Ridge, ODP Leg 164, Northwest Atlantic."ODP,Sci.Results. 164. 13-28 (2000)
-
[Publications] N.Yoshida et al.: "Isotopomer analysis of methane and nitrous oxide for the study of their geochemical cycles."Proc, 2-nd Internat. Symp. on Non-Co_2 greenhouse gases. 185-188 (2000)
-
[Publications] T.Yamanaka et al.: "Organic geochemistry of hydrothermal petroleum generated in the submarine Wakamiko caldera, southern Kyushu, Japan"Org.Geochem.. 31. 1117-1132 (2000)