1999 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白質共役型レセプターの分子進化とG蛋白質サブタイプ認識機構
Project/Area Number |
11308027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
七田 芳則 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60127090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺北 明久 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30212062)
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Keywords | ロドプシン / ムスカリン受容体 / 2次元結晶解析 / G蛋白質 / G蛋白質共役特異性 / キメラ変異体 / 生化学的手法 / 分子進化 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に基づき、以下の研究を行った。 1.ロドプシンの3次元構造の解析のため、ウシロドプシンの二次元結晶の作製を試みた。結晶を作製するためには最適な結晶化条件を探索しなければならず、高純度のロドプシンを大量に調製することが必要である。そこで、適切な界面活性剤と2価カチオンの存在下でロドプシンのみを選択的に抽出する方法を適用し、他の蛋白質を含まないロドプシン試料を短時間で大量に精製することができるようになった。次に、試料中の脂質含量をコントロールするために、精製したロドプシンをCon Aカラムに結合させ、ロドプシン1分子あたり11〜13分子のリン脂質を含む試料を再現性よく得る条件を決定した。また、この試料から直径0.2〜1mmの2次元結晶が再現性よく作製できることがわかった。現在、原子レベルの分解能を示す2次元結晶を作製する努力を続けている。 2.ムスカリン受容体の細胞内第3ループをロドプシンに組み込むとG蛋白質選択性がムスカリン受容体のものに変化した。一方、第2ループは相同性が高いにも関わらずロドプシンに組み込んでも機能しないことがわかった。そこで、ムスカリン受容体の中にロドプシンの第2および第3ループを組み込んだところ、第3ループはGo型のG蛋白質を活性化することはできたが、第2ループは機能しないことがわかった。以上のことから、これらのレセプターにおいて、第3ループはG蚕白質選択性に寄与しているが、第2ループはそれぞれのレセプターが機能するのに必須の配列を持っていることがわかった。一方、レチノクロムおよびbRにウシロドプシンの細胞内第3ループを組み込んだところ、レチノクロム変異体は発現せず、bR変異体ではG蛋白質の活性化は観測できなかった。このことから、bRとロドプシンでは光で引き起こされる構造変化が異なることが推定された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H.Imai: "Probing for the threshold energy for visual transduction: Red-shifted visual pigment analogs from 3-methoxy-3-dehydroretinal and related compounds"Photochem Photobiol.. 70,. 111-115 (1999)
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[Publications] Y.Imamoto: "Anion binding effect to iodopsin studied by low-temperature FTIR spectroscopy"Biochemistry. 38. 11749-11754 (1999)
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[Publications] H.Kandori: "Structural change of threonine 89 upon photoisomerization in bacteriorhodopsin as revealed by polarized FTIR spectroscopy"Biochemistry. 38. 9676 (1999)
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[Publications] A.Nakamura: "Chimeric nature of pinopsin between rod and cone visual pigments"Biochemistry. 38. 14738-14745 (1999)
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[Publications] A.Onishi: "Dichromatism in macaque monkeys"Nature. 402. 139-140 (1999)
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[Publications] H.Kandori: "Local and distant protein structural changes upon photoisomerization of the retinal in bacteriorhodopsin"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. (in press). (2000)
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[Publications] Y. Shichida: "The Retinal Basis of Vision. (eds. J. Toyoda et al.)"Elsevier Science, The Netherlands.. 290 (1999)
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[Publications] Y. Shichida: "Rhodopsins and Phototransduction."John Wiley &. Sons, England.. 306 (1999)