2002 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白質共役型レセプターの分子進化とG蛋白質サブタイプ認識機構
Project/Area Number |
11308027
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
七田 芳則 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60127090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺北 明久 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30212062)
|
Keywords | ロドプシン / G蛋白質共役型受容体 / 結晶解析 / G蛋白質 / G蛋白質共役特異性 / キメラ変異体 / 生化学的手法 / 分子進化 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に基づき、以下の研究を行った。 1.ウシロドプシンの3次元結晶を低温下で光照射すると、溶液状態のロドプシンを光照射した場合と同様のバソロドプシン、ルミロドプシン、メタIロドプシン、メタIIロドプシンが生成することが確認された。初期中間体の場合には蛋白質部分の大きな構造変化は予想されないため、X線回折データの分解能が低いと確実な結論が得られない。そこで、ロドプシンの3次元結晶の分可能を上げる努力をした結果、分子内に7個の水分子を同定することに成功した。 2.代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)のG蛋白質活性化の必須要件を明らかにするために、mGluRの生化学的アッセイ系の確立を行った。その結果、mGluR8を試料としてアッセイ系が作れることを確認した。また、部位特異的変異の手法を用いて、第2ループの両端に位置するアミノ酸残基がG蛋白質活性化に重要であることが示唆された。しかし、分子内架橋法を用いてヘリックスおよび細胞質ループ部分の構造変化過程を解析する試みは、変異体G蛋白質活性化の大きな低下が認められ、さらなる条件設定が必要であることがわかった。 3.我々はロドプシンのGt活性化過程にはロドプシンの2つの中間状態が関与することを発見した。しかしこれらの現象は、装置の時間分解能の限界から、低温やグルセロール添加などにより中間体の生成や崩壊の過程を遅らせて観測した。今回、装置の分解能をあげることにより、視細胞外節の懸濁液を試料として室温での反応を解析することができた。そして、2つの中間状態がGtと相互作用することを確認した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] S.Kuwayama: "Conserved Proline Residue at Position 189 in Cone Visual Pigments as a Determinant of Molecular Properties Different from Rhodopsin"Biochemistry. 41. 15245-15252 (2002)
-
[Publications] H.Kandori: "Interaction of Asn105 with the retinal chromophore during photoisomerization of pharaonis phoborhodopsin"Biochemistry. 41. 4554-4559 (2002)
-
[Publications] T.Okada: "Functional role of internal water molecules in rhodopsin revealed by X-ray crystallography"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99. 5982-5987 (2002)
-
[Publications] H.Ueyama: "Novel missense mutations in red/green opsin genes in congenital color-vision deficiencies"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 294. 205-209 (2002)
-
[Publications] M.Koyanagi: "Amphioxus homologs of Go-coupled rhodopsin and peropsin having 11-cis-and all-trans-retinals as their chromophores"FEBS Letters. 531. 525-528 (2002)
-
[Publications] T.Hirano: "Functional role of internal water molecules in rhodopsin revealed by X-ray crystallography"Photochem. and Photobiol.. 76. 606-615 (2002)
-
[Publications] 七田芳則: "色覚(生物物理学ハンドブック)"朝倉書店(印刷中). (2003)