1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11309011
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
吉田 宏志 京都府立大学, 文学部, 教授 (40305561)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 幸夫 富山大学, 人文学部, 教授 (70093458)
菊竹 淳一 九州大学, 文学部, 教授 (10000374)
平木 実 天理大学, 国際文化学部, 教授 (40068739)
吉田 光男 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70166974)
三浦 國雄 大阪市立大学, 文学部, 教授 (60027555)
|
Keywords | 朝鮮儒林文化 / 両班 / 朝鮮書誌学 / 朝鮮美術 / 朝鮮思想史 / 朝鮮社会史 / 朝鮮建築学 / 朝鮮文学 |
Research Abstract |
本年度は京都及び東京で計6回の研究会を開催した。各研究会における発表題目と発表者は以下の通り。1「李朝時代の儒画と美意識「モッ(〓)」について」(吉田宏志)2「日本現存朝鮮本とそのデータベースについて」(藤本幸夫)3「儒林文化と庭園」(西垣安比古)4「「両班」論幻想」(吉田光男)5「朝鮮活字版『白氏文集』をめぐって」(神鷹徳治)6「朝鮮天主教と鄭鑑録」(鈴木信昭)。発表内容は美術・書誌学・建築学・歴史学・文学・思想史と多岐にわたっており、毎回の活発な質疑・討論を経て、各研究者は互いに大いに知見を広めることを得た。このように、異分野の研究者による共同研究という利点を活かし、広範な分野・領域に広がりを持つ朝鮮儒林文化を総合的に研究するという本研究の目的を、順調に遂行しつつある。また各研究者は国内外の資料調査を行い、それぞれ貴重な成果を得ることができた。それらの成果は最終年度に提出する研究成果報告書において十二分に反映されるはずである。朝鮮儒林文化関連資料を体系的に蒐集する計画の一環として、富山大学では韓国歴代文集叢書のうち1301冊〜1400冊を購入した。次年度以降も継続的に購入していく予定である。吉田宏志はこれまで収集してきた1000点以上に及ぶ厖大な絵画資料の画像データベース化を新たに企図し、パソコン・スキャナー・ソフト等を購入、また謝金によって画像データ処理の専門家に作業を依頼し、データの入力作業に入った。最終年度までにデータベース化を完了する予定。朝鮮美術に関する日本における研究の蓄積が希少である現在、このデータベースの作成が学界に寄与するところは多大である。来年度は年8回程度の研究会開催によって研究者相互の知見を広め合うとともに、各研究者は国内外にわたって資料調査を行う。また従来より蓄積されてきた研究成果を踏まえて複数の資料集を刊行し、研究成果を広く学界に還元する予定である。
|
Research Products
(18 results)
-
[Publications] 吉田宏志: "朝鮮王朝美術の特質-儒教文化と〓の造形美-"小学館『世界美術大全集』 東洋編11 朝鮮王朝. 東洋編11巻. 9-16 (1999)
-
[Publications] 吉田宏志: "朝鮮時代の絵画-安堅以後の展開-"小学館『世界美術大全集』 東洋編11 朝鮮王朝. 東洋編11巻. 97-120 (1999)
-
[Publications] 吉田宏志: "韓国の茶と美術-石製の茶具を中心に-"小学館『世界美術大全集』 東洋編11 朝鮮王朝. 東洋編11巻. 341-344 (1999)
-
[Publications] 吉田宏志: "朝鮮王朝の文人画家李麟祥の絵画"大和分華館『大和分華』. 第103号. (2000)
-
[Publications] 平木 實: "影印『郷飲酒禮儀節』並びに解題"朝鮮学会『朝鮮学報』. 第172輯. 119-158 (2000)
-
[Publications] 菊竹淳一: "朝鮮王朝の仏教美術論"小学館『世界美術大全集』 東洋編11 朝鮮王朝. 東洋編11巻. 185-196 (1999)
-
[Publications] 藤本幸夫: "朝鮮時代の書"小学館『世界美術大全集』 東洋編11 朝鮮王朝. 東洋編11巻. 121-132 (1999)
-
[Publications] 藤本幸夫: "朝鮮本の識語について"韓国文化研究振興財団『青丘学術論集』. 第16集. (2000)
-
[Publications] 三浦國雄: "現代韓国の儒林たち"韓国文化研究振興財団『青丘学術論集』. 第16集. (2000)
-
[Publications] 神鷹徳治(山口謡司と共著): "『中国版刻図録』(明版)書名索引"『文芸研究』. 82号. 141-161 (1999)
-
[Publications] 神鷹徳治: "悲劇の善本 朝鮮銅活字版『白氏文集』〜那波本の生誕を繞って〜"勉誠出版『アジア遊学』. 12号. 38-46 (2000)
-
[Publications] 磯部彰: "朝鮮版『文選』六臣注本の諸版本"『東北アジア研究』. 第4号. (2000)
-
[Publications] 朝倉 敏夫: "両班の食生活-その研究方法の模索-"韓国文化研究振興財団『青丘学術論集』. 第16集. (2000)
-
[Publications] 鈴木信昭: "18世紀末朝鮮天主教信徒の西洋船舶要請計画"朝鮮学会『朝鮮学報』. 171輯. 1-42 (1999)
-
[Publications] 鈴木信昭: "李氏朝鮮天主教史小考"『歴史と地理』. 532号. 1-11 (2000)
-
[Publications] 中純夫: "霞谷鄭斉斗緒論-朝鮮儒林における陽明学受容-"韓国文化研究振興財団『青丘学術論集』. 第16集. (2000)
-
[Publications] 吉田光男: "朝鮮近世の王都と帝都"『年報都市史研究』. 7号. 61-68 (1999)
-
[Publications] 平木 實(共著): "韓国・朝鮮時代史學会編『東洋三國〓 王権〓 官僚制』(朝鮮語文)"韓国・國學資料院. 395 (1999)