1999 Fiscal Year Annual Research Report
デンドリマーを利用する、複合金属不斉触媒の固相合成への展開
Project/Area Number |
11354008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究科, 教授 (90205831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 孝義 大阪大学, 産業科学研究科, 助手 (80272483)
市原 潤子 大阪大学, 産業科学研究科, 助手 (60110772)
山高 博 大阪大学, 産業科学研究科, 助教授 (60029907)
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Keywords | デンドリマー / 固相合成 / 不斉触媒 / 触媒アナログ / PAMAM / 複合金属触媒 |
Research Abstract |
均一系の触媒を固相に担時すると、反応の停止、触媒の回収・再利用が簡便となるため、多くの不斉触媒を実用可能とならしめる方法論と期待されている。そこで本研究では、我々の開発した複合金属触媒を樹木状のポリマーであるデンドリマーに固定することをめざした。本年度は、デンドリマーにおいて、枝葉となる繰り返しユニットがどの程度の大きさの時にデンドリマー表層に複合金属錯体を効率よく導入できるか、また、不斉配位子をデンドリマーに固定する際のリンカー部の長さについてコンピュータシミュレーションによって検討した。その結果、第4世代程度のPAMAM型デンドリマーが適当で、アルミニウムーリチウムービナフトール型の不斉触媒を導入するには、リンカー部のsp3原子数を4〜5個とした場合に二つのビナフトール配位子の相対配置を効果的に制御できることが予測できた。本シミュレーション結果に基づき、設計したデンドリマーの合成を現在進めている。デンドリマーの他にも、ポリスチレンのような一般的なポリマーへの固定化について検討し、合成が容易で安定性に優れる「触媒アナログ」をポリマーに導入後、触媒中心の金属を交換することで効率良く複合金属触媒を固定化できることを見い出した。触媒アナログの構築に用いる元素としてはホウ素よりもケイ素の方が好結果を与えている。しかし、不斉収率は中程度であり、より安定で合成効率の高い触媒アナログの合成について検討中である。
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