2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11355002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
櫻井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薛 其坤 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90270826)
長谷川 幸雄 東京大学, 物性研究所, 助教授 (80252493)
中山 幸仁 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (50312640)
小林 力 (株)アルバックファイ, 主任研究員
大野 隆央 科学技術庁金属材料技術研究所, 第二研究室, 室長
薛 其貞 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50323093)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 分子線エピタキシー / ウルツ鉱型GaN / 表面再配列構造 / 塩素よるエッチング |
Research Abstract |
本研究では、MBE搭載の超高真空走査トンネル顕微鏡(UHV-STM)や反射高速電子回折(RHEED)・オージェ分析法をベースにした実験と第一原理計算から求められる化学ポテンシャルを用いて、ウルツ鉱型GaN表面上でGa終端の場合とN終端の場合ついて、表面の最安定構造を明らかにしさらにはその諸表面におけるハロゲンガスの化学反応過程を調べた。GaNの成長基板として、Si終端の6H-SiC(0001)、C終端の6H-SiC(0001)ならびにサファイア基板上でMOCVD成長したGaN薄膜を使用した。薄膜成長は窒素プラズマ発生装置を備えた分子線エピタキシー槽で行われた。主な研究成果は以下のものである。 1.6H-SiC基板は水素でエッチングし超高真空下でSiエッチングするという二段階処理法により、平坦かつ清浄な表面を得ることができ、その基板上に、高品質のGaN薄膜を成長できることが明らかになった。 2.Si終端の6H-SiC(0001)を基板として用いた場合、MBE成長GaNの最表面はGa原子で終端され2x2、4x4、5x5、5√3x2√13、√7x√7、10x10、1x1fluid-Ga構造等が得られることが判明した。さらには成長相である2x2と4x4の表面再配列構造についてGaアダアトムモデルが最適であることを明らかにした。 3.C終端の6H-SiC(0001)を基板としてGaNを成長させた場合、Nで終端した表面を得ることができその表面構造は、6x6、c(2x16)、2√7x2√7などであるが、これらの再配列構造もGaアドアトムに起因するものであることを明らかにした。 4.塩素(Cl)のウルツ鉱型GaN表面上での化学反応を調べ、Ga終端面ではガス相GaCl2/N2形成によるエッチングが熱励起過程としておこるに対してN終端面ではN-2x2相の形成によりエッチングが抑制されることを明らかにした。
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