1999 Fiscal Year Annual Research Report
微小アンテナによる遠隔電磁波深傷システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
11355006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄子 哲雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 欣治 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30005368)
MINKOV DORIAN 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30291264)
佐藤 源之 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (40178778)
中里 俊晴 株式会社 サイエンティア 研究開発グループ, グループリーダー(研究職)
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Keywords | 非破壊検査 / 遠隔探傷 / 電磁波 / アンテナ / 表面き裂 |
Research Abstract |
試験片に対して交流電流を印加し,き裂周辺において生じる印加電流経路の変化による電磁場の変化を微小アンテナを用いて非接触的に計測する,新しい非接触型の遠隔電磁波探傷システムを開発した. 開発した探傷システムは,探触子移動装置,ドライバーボックス,制御用パーソナルコンピュータからなる自動計測システム,データ取得のための計測装置(ネットワークアナライザ:HP8753D,周波数領域:30kHz〜6GHz)および探触子である微小アンテナから構成される.微小アンテナは2種類で,50Ω同軸ケーブル製のダイポールアンテナおよび外径2.2mmの不平衡型線路であるセミリジットケーブル製のループアンテナである.このうちループアンテナは,ループ部分の下半分はセミリジットケーブルの芯線およびシールド材がループを形成し,上半分はシールド材のみにてループを形成している.そしてループアンテナ先端部,すなわち芯線およびシールド材終端において芯線とシールド材が短絡されている.ループ部直径は10mm,直線部分の長さは300mmである. 上記の遠隔電磁波探傷システムを,表面欠陥(矩形スリット,幅0.15mm,深さ0.5,1,2mm)を有するオーステナイト系ステンレス鋼SUS316の平板試験片(300l×150w×20t)の計測に供したところ,下記の知見を得た. ・周波数,電流を印加する誘導線,試験片長さ等に依存する定在波が発生するため,この影響を低減する周波数が存在する.今回の実験範囲内では300MHzが最適である. ・深さ0.5mmの欠陥でも充分な感度で検出可能である. ・今回の実験範囲内で,リフトオフ10.5mmの場合でも深さ1mmの欠陥の検出が可能であり,遠隔探傷法として有望であると考えられる. 今後は,数値解析により電磁波の発生を支配する印加電流経路およびそれに起因する定在波の可視化を行う.また強磁性体中の人工欠陥および自然欠陥(疲労き裂)の計測などを実施する予定である.
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