2000 Fiscal Year Annual Research Report
内視鏡外科手術の安全な普及を目指した支援ロボットシステムと遠隔指導システムの開発
Project/Area Number |
11357011
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大上 正裕 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50146619)
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20204878)
古川 俊治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60219102)
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90124958)
渡邊 昌彦 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80146604)
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Keywords | 内視鏡外科手術 / ロボット / 遠隔指導 / master-slave manipulator |
Research Abstract |
1.遠隔手術指導システムの臨床応用と暗号化通信装置の導入:遠隔手術支援システムを用いて早期大腸癌に対する腹腔鏡下結腸切除術、胆嚢胆石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の手術指導を施行した。特に、手術医が経験が少ない部位の手術の場合や手術条件が悪く困難な症例において、遠隔手術指導を受けることにより手術医が順調に手術を行うことが可能ととなり、本システムの有用性が認識された。 広域ネットワークの利用を目指し、ネットワーク上の情報を匿秘するための情報の記号化技術の画像伝送への応用を検討した。動画像を継続的に暗号化しながら伝送し、かつ通信速度を遅延させない新しいストリーミング・キーを遠隔手術指導へ導入して腹腔鏡下大腸切除術の遠隔手術指導が行われたが、動画像通信の安全性が高まり、また、画像伝送に特に遅延は認められず、十分な手術指導が可能であった。 2.master-slave manipulatorの臨床的検討:米国Intuitive Surgical社製master-slave manipulatorを試験的に導入し、腹腔鏡下食道外科手術、胆嚢摘出術、再発性鼠径ヘルニア根治術等を行い、際立った操作性を確認した。胆嚢摘出術では、胆嚢管・胆嚢動脈を吸収糸で結紮処理でき、また、胆嚢剥離後の肝床部の腹膜を縫合修復できるなど、従来の腹腔鏡下内視鏡手術では不可能であった操作が可能となった。 3.master-slave一体型manipulatorの設計・試作;構成が比較的簡単で小型である、触覚をある程度残すことが期待出来る、など現行のmaster-slave manipulatorの短所を改善した新しい概念に基づくmaster-slave一体型manipulatorを設計し、現行のトロッカーで使用可能な外径12mmのものを試作した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 古川俊治: "ロボティックサージェリーの現状と将来"日本ロッボト学会誌. 18. 8-11 (2000)
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[Publications] 古川俊治: "内視鏡下手術の進歩をめぐる法的諸問題"日本内視鏡外科学会. 5. 21-29 (2000)
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[Publications] 古川俊治: "master-slave manipulatorを用いた手術と遠隔手術指導"日本外科学会雑誌. 101. 293-298 (2000)
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[Publications] 古川俊治: "腹部救急におけるRobotic surgery,Telesurgery"日本腹部救急医学会雑誌. 21. 131-137 (2001)