1999 Fiscal Year Annual Research Report
日本語方言の地域差および方言音声コーパスの設計・構築に関する研究
Project/Area Number |
11358003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
板橋 秀一 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (70151454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 真由美 大阪大学, 文学部, 教授 (30186415)
真田 信治 大阪大学, 文学部, 教授 (00099912)
土岐 哲 大阪大学, 文学部, 教授 (10138662)
篠崎 晃一 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00206103)
木部 暢子 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (30192016)
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Keywords | 方言 / 自然談話 / 鼻濁音 / 基本周波数 / 韻律情報 |
Research Abstract |
方言音声コーパス作成のため、老年層男女の談話を収集した。具体的には以下の通りである。青森県深浦町の予備調査を行い、2名の自然談話資料を収集した。山形県三川町で予備調査を実施した。本格的な自然談話の録音は来年度行い、完成させる予定である。富山県氷見市で補助員と共に談話資料収集の調査活動を合同で行った。奈良県明日香村の方言調査活動を行った。愛媛県南予地方を中心に、自然談話録音の試行を行った。また、研究分担者共同(5名)で、富山方言の自然談話の録音を行った。鹿児島市内の方言話者数人の会合において、鹿児島方言での自然談話資料の録音を行い、一部分の文字化を行った。 音声コーパスの韻律的側面に現れる様々な韻律情報の変異の記述を、日本語の言語特性に依存しない記述体系であるIPA(国際音声記号)やDF(弁別素性)のレベルで分析し、方言音声の普遍性や特異性について考察した。 近年、鼻濁音化の傾向が著しく減少している。まず、放送現場での鼻濁音の実態を把握し、その客観的評価方法および教育に資する目的で鼻濁音の音響的特徴抽出の研究を行った。 音声のスペクトル的特徴の他に基本周波数を特徴パラメータとして用いる多言語音声の識別手法の研究を行った。これはそのまま方言音声識別に応用できることを意図している。 言語系や方言などに依存することが少ない音韻認識方式の研究開発を行った。また、日本の駅名、企業名について、日本人、アジア系外国人、欧米系(英語圏)外国人の読み上げ音声データを収録した。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 板橋秀一: ""On recent speech corpora activities in Japan""J.Acoust.Soc.Jpn.(E). Vol.20,No.3. 163-169 (1999)
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[Publications] 板橋秀一: ""Spoken Language Identification Utilizing Fundamental Frequency and Capstra""Proc.Eurospeech'99,Budapest,Hungary. Vol.1. 383-386 (1999)
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[Publications] 板橋秀一: "「文献検索をタスクとした音声対話コーパスの構築と分析」"日本音響学会2000年春季発表会講演論文集. 未定 (2000)
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[Publications] 板橋秀一: "「文献検索をタスクとした音声対話データの収録と分析」"人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会資料. SIG-SLUD-9903. 1-6 (2000)
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[Publications] 板橋秀一: ""Creating Speech Corpora for Speech Research""Proc.International Symposium Toward Spoken Language Engineering 2000,2,28-29,Tokyo. (未定). (2000)
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[Publications] 壇辻正剛: "「フォルマント構造推定による日本人用英語発音教示システム」"音声言語情報処理. Vol.27,No.12. 77-84 (1999)
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[Publications] 石川泰: "「テキスト音声合成における統計的言語特徴を利用した韻律制御」"日本音響学会平成11年秋季研究発表会講演論文集. 3-3-13. 273-274 (1999)
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[Publications] 土岐哲: "「青森県深浦町方言の音声・音韻 -四世代の横断的内部観察資料から-」"早稲田大学国文学会 国文学研究. 第128集. 137-145 (1999)
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[Publications] 土岐哲: "「日本語の能力とは -実際的運用の諸側面-」"日本語学 5月臨時増刊号. Vol.18. 158-164 (1999)
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[Publications] 木部暢子: "「鹿児島方言談話資料」"新しい関係性を求めて -コミュニケーションの諸相- 鹿児島大学全学プロジェクト報告書. 未定 (2000)
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[Publications] 篠崎晃一: "「消えゆく方言の島・奈良田の現在」"地域方言と社会方言(日本語学11月臨時増刊号). 72-79 (1999)
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[Publications] 桑原尚夫: "「音声の個人性および性質の音響的特徴抽出の研究」"山梨21世紀産業開発機構報告. (未定). (2000)
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[Publications] 田中和世: ""A speech recognition method based on distance between intermediate phonetic symbol domain""Proceedings of International Conference on Speech Processing(ICSP'99). Vol.1. 269-274 (1999)
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[Publications] 田中和世: ""A between-word distance calculation in a symbolic domain and its applications to speech recognition""Journal of Information Sciences,Elsevier Science. Vol.123,No.1-2. 25-41 (2000)
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[Publications] 真田 信治: "展望現代の方言"白帝社. 252 (1999)