2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11358011
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 正昭 岐阜大学, 工学部, 教授 (90093046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 秀夫 浜松ホトニクス(株), 中央研究所, 専任部員(研究職)
渡辺 恭良 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40144399)
古田 享史 岐阜大学, 工学部, 助教授 (40173538)
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Keywords | 15R-TIC / 15-deoxy-TICメチルエステル / 抗アポトーシス作用 / 神経保護作用 / IP_2 / 脳虚血 |
Research Abstract |
本年度は、脳内中枢型プロスタサイクリン受容体(IP_2)特異的探索分子である15R-TICを構造修飾した誘導体15-deoxy-TICを設計し、合成を行った。15-deoxy-TICは15R-TICに比べてω側鎖がより単純化された構造をもっており、化学変換や代謝などに対して安定である。また、脂溶性が高いため血液脳関門通過による脳内到達性の向上が期待される。実際、ラットやマウスを用いた実験では15-deoxy-TICメチルエステルは15R-TICメチルエステルより脳への移行性が良いことがわかった。15-deoxy-TICは15R-TICと同様に高酸素状態で引き起こされる海馬神経細胞のアポトーシスを低濃度で完全に阻害した。このことからIP_2が中枢系での神経保護作用にかかわっているものと推察された。TICの抗アポトーシス作用は、内在性の神経保護因子であるbFGFの作用を越える強力なものであり、プロスタサイクリン以外の他の天然PG類には見られなかった。続いて、15-deoxy-TICメチルエステルを用いたラット脳虚血障害モデルにおける神経保護作用実験を行った。その結果、0.03mg/kgの化合物のi.v.投与で虚血後24時間において脳の破壊が35%に押さえられることがわかった。対照的に、末梢型受容体IP_1のアゴニストのiloprostメチルエステルは全く神経保護作用を示さなかったことから、IP_2は虚血性脳破壊の制御に働き、IP_1にはその作用がないことが明らかとなった。現在、15-deoxy-TICメチルエステルのPETトレーサー化を検討している。一方、リガンドの血液脳関門透過性向上を目的とした薬物輸送タンパク質の機能阻害剤を新たに設計・合成した。現在、血液脳関門透過性における効果を検討するための実験系の構築を進めている。以上、本年度の研究は概ね計画通りに遂行できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Satoh: "Neurotrophic actions of novel compounds designed from cyclopentenone prostaglandins"J.Neurochem. 77・1. 50-62 (2001)
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[Publications] S.Fukushima: "Antitumor activity, optimum administration method and pharmacokinetics of 13,14-dihydro-15-deoxy-Δ^7-prostaglandin A, methyl ester (TEI-9826) integrated in lipid microspheres(Lipo TEI-9826)"Anticancer Drugs. 12・3. 221-234 (2001)
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[Publications] T.Ikemoto: "Effects of dantrolene and its derivatives on Ca^<2+> release from the sarcoplasmic reticulum of mouse skeletal muscle fibres"Br.J.Pharmacol. 134・4. 729-736 (2001)
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[Publications] Y.Sasaki: "NOVEL AND SPECIFIC Rho-KINASE INHIBITOR, H1152P, DIRECTED AGAINST THE Rho-KINASE INVOLVED PATHWAY"CELL.MOL.BIOL.LETT.. 6・2B. 506 (2001)
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[Publications] 鈴木正昭: "陽電子放射断層画像撮影法(PET法)によるヒト脳機能分析のための高次プロスタグランジン(PG)プローブの創製"ファルマシア. 37・11. 994-998 (2001)
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[Publications] T.Takamatsu: "Specific ligand for a central type prostacyclin receptor attenuates neuronal damage in a rat model of focal cerebral ischemia"Brain Research. 925・2. 176-182 (2002)