2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11358012
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
西村 善文 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (70107390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 榮一郎 味の素(株), 中央研究所分析研究部, 主席研究員
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Keywords | 転写因子 / テロメア結合タンパク質 / DNA結合ドメイン / Myb / 表面構造 / hTRF1 / NMR / hRap1 |
Research Abstract |
本研究では先ずテロメア結合タンパク質や転写因子を中心としたDNA結合タンパク質のDNA結合能を抑制したり促進する薬物を系統的に探索し、さらにタンパク質中の結合部位の立体構造に基づいて新しい薬物を設計する事を目的とする。テロメアの長さを制御しているタンパク質hTRF1はアミノ酸配列のホモロジーからDNA結合ドメインに1個のMyb様モチーフを含んでいる。hTRF1のDNA結合ドメインとテロメアDNAとの複合体の構造をNMRを用いて決定した。hTRF1のMyb様モチーフは3本のヘリックスを持ち3本のヘリックスは3個のTrpを含む疎水的なコアで安定化されていた。3本のヘリックスの立体配置は転写因子のc-Mybに存在する3個のリピートの各々の立体配置と非常に良く似ている。DNAと相互作用する部分は、3番目の認識ヘリックスとフレキシブルアームと呼ばれるN末端領域である。認識ヘリックスがDNAの大きな溝に入り、N末端がDNAの小さな溝から巻き付くように結合する。TRF1の1個のMyb様構造モチーフのDNA結合ドメインがタンデムに繰り返している中のGGGTTA配列を認識できる。 出芽酵母のテロメアに結合するタンパク質としてはscRap1が知られている。最近scRap1のヒトホモログがクローニングされhRap1と名付けられた。ただしhRap1は全くDNAに結合しない。我々はhRap1のMyb様モチーフの構造をNMRを用いて決定した。構造解析の結果今までのMyb様モチーフのフォールドと全く同じフォールドであったが明らかに表面構造が異なっていた。これらのタンパク質のNMRシグナルを全て同定したのでこれらを標的にした薬物の開発に取り組む。現在20種類程度のジペプチドを合成し薬物開発基盤データにすることを試みている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Okuda,M.,: "Structure of the central core domain of TFIIEβwith a novel double-stranded DNA-binding surface."The EMBO Journal. 19.6. 1346-1356 (2000)
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[Publications] Okamura,H.,: "Structural Comparison of the PhoB and OmpR DNA-binding/transactivation Domains and the Arrangement of PhoB Molecules on the Phosphate Box."J.Mol.Biol.. 295. 1225-1236 (2000)
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[Publications] Sasaki,M.,: "Backbone dynamics of the c-Myb DNA-binding domain complexed with a specific DNA."J.Biochem.. 127. 945-953 (2000)
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[Publications] 西村善文: "構造的に見たDNA認識の普遍性と多様性(転写因子の機能-転写制御複合体形成のダイナミクス蛋白質核酸酵素 臨時増刊号Vol.45,No.9,P.1683-1693)"共立出版. 11 (2000)
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[Publications] 西村善文: "ウイングドヘリックス/フォークヘッド・ドメインの多様性(実験医学増刊Vol.18,No.18,p.183-189)"羊土社. 7 (2000)