1999 Fiscal Year Annual Research Report
人工軟骨・人工半月板を有する生体規範型人工膝関節の最適設計及び試作と評価
Project/Area Number |
11358014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 輝夫 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90091347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 和弘 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70315109)
澤江 義則 九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10284530)
大月 伸男 九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60127991)
三浦 裕正 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10239189)
岩本 幸英 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00213322)
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Keywords | 人工関節 / 弾性流体潤滑 / 摩耗 / 人工関節材料 / 人工軟骨 / 人工半月板 / シュミレータ / バイオトライボロジー |
Research Abstract |
人工膝関節の設計に生体膝関節の多モード適応潤滑機構を取り込み,,ハイドロゲル型の人工軟骨や人工半月板を導入し,ソフトEHL(弾性流体潤滑)作用に基づく流体潤滑膜形成を促進させるとともに,薄膜潤滑時には,吸着膜やゲル膜による保護機能を付与するための研究を実施した。まず,生体膝形状モデルの3次元曲面形状データの曲面解析手法を開発し,モデリングマシーンによる試作の体制を構築し,主要な3次元的運動を再現する実態模擬関節シミュレータを開発した.本シミュレータは,人工関節置換患者の各種症例の接触状態を再現可能な2連式であり,関節力と屈曲・回施運動の再現とともに,内外反の片当たり状態や脛骨板沈下進行時を再現可能である.このようにして,最適設計・試作・評価システムによる最適設計システムを整備した.また,生体関節軟骨の機能を代行しうる高機能人工軟骨の実用化をめざすために,各種のハイドロゲルの性能評価を行い,摩擦摩耗挙動の問題点を明らかにした.PVAハイドロゲルについては,凍結・解凍の繰り返し回数における最適条件の存在を示した.また,適切な転がり・滑り運動や安定性を実現するために半月板を含めた最適形状設計の指針を検討した.また,電圧印加による始動摩擦の低減の可能性を提示した.さらに,ポリエチレン,セラミック,金属材料の摩耗挙動に対する材料特性・摩擦作動条件(とくに多方向滑り)・潤滑液組成の影響を明らかにした. 臨床的評価については,人工関節の最適置換法を検討するとともに,人工軟骨材料の生体適合性(無毒性・生体内安定性)を評価するために,動物関節内置換試験に必要な試験片作成と治具を作成し,試験条件を検討した.さらに,人工関節の暖みに関連して,破骨細胞による骨吸収に対する力学的伸張の影響を評価した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 村上輝夫: "人工関節のトライボロジー"トライボロジスト. 45-2. 131-137 (2000)
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[Publications] T.Murakami: "Role of Surface Layers of Natural ans Artificial Cartilage in Thin Flim Lubrication"Lubrication at Frontier,Elsevier. 737-747 (1999)
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[Publications] 大月伸男: "生体膝関節の3次元CGによる形状解析"日本臨床バイオメカニクス学会誌. Vol.20. 429-432 (1999)
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[Publications] Y,Sawae: "Inprovement in Microstruccture and Wear Property of Alumina Ceramics for Joint Prostheses"Bioceramics. Vol.12. 99-103 (1999)
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[Publications] 松田秀一: "mobile bearing型TKAの問題点"関節外科. 18(3). 47-52 (1999)
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[Publications] 三浦裕正: "人工関節摩耗予測パラメータについて"リウマチ科. 21(3). 218-223 (1999)