2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11358015
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50178597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 隆幸 国立循環器病センター研究所, 室長(研究職) (30174410)
宮脇 富士夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50174222)
土肥 健純 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40130299)
吉田 光敏 鹿児島大学, 農学部, 教授 (00174954)
中西 喜彦 鹿児島大学, 農学部, 教授 (40041636)
尾股 定夫 日本大学, 工学部, 教授 (90060186)
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Keywords | 遺伝子組みえ替えミニブタ / 共焦点レーザ顕微鏡 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
トランスジェニック(Tg)ミニブタ作製技術は細胞・組織・臓器移植のための異種移植ドナー作出等、様々な分野に極めて大きなインパクトをもたらす。しかし、Tgブタ作製効率は大変低く、多大の時間、労力と経費を要する。食肉センター由来の卵巣資源を用いた体外受精により、遺伝子導入に必要不可欠な前核期受精卵を安定供給でき、Tg胚をあらかじめ移植前に選抜し、母体へ戻すことができれば効率的である。本研究では、Tgブタ作製効率の高度化を目的として、まず、ブタ体外成熟・体外受精卵作出における卵巣採取個体の性成熟の影響と体外受精前核への遺伝子注入時期検討し、次いで、移植前選抜レポーターとしてのEnhanced green fluorescent protein(EGFP)の有用性をコンストラクトの異なる3種のEGFP遺伝子を前核期体外受精卵へ顕微注入、その後の体外発生およびEGFP発現状況に及ぼす影響を調べた。また培養システムとして通常インキュベータ内の暗所で放置して培養されているミニブタ卵を、レーザ共焦点顕微鏡下に設置した卵培養装置を用いて培養し、培養過程で卵の2次元画像や、3次元形状を連続的に観察できるようにした。さらに、体外受精卵前核への遺伝子注入操作における装置の自動化についても検討した。その結果、1)性成熟雌ブタ由来卵子を用いることにより効率的な体外受精卵生産ができること、2)体外受精後12時間での前核形成初期においても遺伝子注入操作が可能であること、3)EGFP遺伝子の導入効率はプロモーターの種類と注入DNAに断片長に影響されこと、4)胚選抜のマーカー遺伝子としてのEGFP遺伝子の利用は、ブタ胚では4細胞期胚や胚盤胞が適していること、および5)顕微鏡下における遺伝子注入操作装置の自動化はTgブタ胚作製の高度化に有効であることが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小倉敬行,蔭山雅敏,辻敬之,佐久間一郎,矢作直樹、土肥健純: "ミニブタ卵胞卵の経時的顕微画像モニタリングシステムの開発"医用電子と生体工学. 38(特別号). 151 (2000)
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[Publications] 辻隆之,阿部茂,小倉敬行,蔭山雅敏,辻敬之,佐久間一郎,土肥健純,吉田光敏,大久津昌治,: "遺伝子組み換えミニブタ作出用卵胞卵培養環境システムの開発"医用電子と生体工学. 38(特別号). 410 (2000)
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[Publications] 花岡良,小泉英明,桑原康,吉田光敏,中西喜彦: "クラウン系ミニブタ精子の長期液状保存に関する研究"日本畜産学会第97回大会講演要旨. 184 (2000)
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[Publications] Tanaka,H.,Ito,R.,Ohya,N.,Yoshida,M.,Tsuji,T.,Nakanishi,Y.;: "Blastocyst formation by miniature pig embryos derived from nuclear transfer of somatic cell"Anim.Reprod.Sci.,,. 61. 125 (2000)