1999 Fiscal Year Annual Research Report
マウスにおける事態対処方略に関する行動遺伝学的研究
Project/Area Number |
11410021
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
牧野 順四郎 筑波大学, 心理学系, 教授 (60015443)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 由美子 筑波大学, 心理学系, 助手 (70302362)
森 俊之 筑波大学, 心理学系, 助手 (00301078)
加藤 克紀 筑波大学, 心理学系, 講師 (50261764)
富原 一哉 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (00272146)
|
Keywords | 近交系マウス / 行動の遺伝 / 事態対処 |
Research Abstract |
本研究の主題のひとつは、動物個体が種々の異なる刺激事態に特定の対処様式を一貫して取ることを示すことである。そのため、自由行動場面、学習場面、社会場面において選択系ラット・マウスおよび近交系ラット・マウスの行動の型の一貫性を見ようとしている。平成11年度は自由場面、学習場面、社会場面においてそれぞれ1つずつ実験研究に着手した。これに必要な実験装置・解析システムとして、マウス用オペランドボックス2台、ビデオ記録された行動の観察・解析システム1式、ラット用社会行動観察箱を購入した。 これらの機器の納入が遅れたので、主たる実験は現在進行中であるが、幾つかの研究成果は得られている(研究発表参照)。たとえば、(1)マウスの選択行動における衝動性に関する研究において、衝動的選択を取りやすい近交系マウスとそうでない近交系マウスがいることが示唆された。これは遺伝的な特性として衝動性が措定できる可能性を意味しているが、行動の抑制機構には内在的な変異があり、どんな場面にせよ行動抑制の多寡が一貫して近交系に示されれば、非常に興味深い結果が得られることにある。(2)活動性に関して選択交配されたマウス2系統の隔離飼育後の社会行動を観察・分析した研究でも、2選択系がそれぞれ独特な仕方で社会行動を変容させる結果が示された。 平成12年度は、自由場面、学習場面、社会場面を通じた個体の行動様式の一貫性を検討する実験を遂行する予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Nakatsuyama E.,Makino J.: "Food carrying determined by eating time of a food in rats(Rattus norvegicus)"Psychobiology. 27(1). 133-134 (1999)
-
[Publications] 和田由美子、牧野順四郎: "情報反応性によって選択支配されたラットの行動薬理"脳の科学. 21. 1103-1107 (1999)
-
[Publications] 牧野順四郎: "動物心理学研究とエソロジー的方法"動物心理学研究. 49(2). 229-242 (1999)
-
[Publications] 加藤克紀: "隔離飼育マウスにおける斗争前行動の系列分析"筑波大学心理学研究. 22. 1-9 (2000)
-
[Publications] 森俊之、小貫泰広、牧野順四郎: "高・低活動系マウスの妊娠率・産仔数および仔の死亡率"筑波大学心理学研究. 22. 23-27 (2000)