1999 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害児における認知活動の感覚(視覚)的一言語的調整に関する研究
Project/Area Number |
11410037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
鈴木 宏哉 長野大学, 産業社会学部, 教授 (70015436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 明敏 長野大学, 産業社会学部, 教授 (60168987)
奥住 秀之 東京学芸大学, 特殊教育研究施設, 助手 (70280774)
国分 充 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40205365)
葉石 光一 長野大学, 産業社会学部, 講師 (50298402)
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Keywords | 知的障害児・者 / 眼球運動 / 身体運動 / 言語的調整 |
Research Abstract |
本年度は、知的障害児・者における認知活動の言語的調整の特徴を種々の運動行為から検討した。運動行為として取り上げたのは、1)眼球運動、および2)身体運動(握力、立ち幅跳び、歩行)であった。主な成果は以下の通りであった。 1)眼球運動調整について:(1)試行前の教示に従いそれのみで運動を遂行する条件(教示のみ条件)、(2)運動遂行を具体化する付加的言語情報を他者が発しながら連動を遂行する条件(他者言語条件)、(3)運動遂行を具体化する付加的言語情報を自分で発しながら運動を遂行する条件(自己言語条件)で眼球運動課題を行ったところ、他者言語条件で運動遂行の成績(追視すべき視標の動きに対する眼球運動の反応潜時)の上昇がみとめられたが、自己言語条件では成績はむしろ低下した。この結果は、被験者の知的障害の程度を軽・中度と重度とで分けてみても、両群に共通する結果であった。 2)身体運動調整について:身体運動を調整する程度の感覚をStevensの法則を用い、2種の身体運動に関して測定した。まず「二分の一の力で」という教示に対して行った場合の、Stevensの法則のベキ数を求めた。次に「少し弱く」「さらに弱く」という教示を与え、それによって行った運動調整がどの位の心理量であったかを測定した。その結果、知的障害児・者のベキ数は健常者よりも大きかった。また知的障害児・者の「少し」心理量は健常者と同程度であったが、「さらに」心理量は健常者とは異なり、「少し」心理量を上回る結果となった。また歩行について、通常の速度での歩行と最大速度での歩行を行い、その速度比を従属変数、性別、年齢、慎重、体重、IQ、言語の行動調整機能、ダウン症の有無、自閉症の有無を独立変数とする重回帰分析を行ったところ、速度比に有意に関連しているのは言語の行動調整機能であった。
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Research Products
(1 results)