1999 Fiscal Year Annual Research Report
医療者・患者関係の転換と患者の主体化に関する現状分析と理論開発
Project/Area Number |
11410042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 喜比古 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10174666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 聡 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00222050)
玉井 真理子 信州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80283274)
野口 裕二 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (60183547)
林 千冬 群馬大学, 医学部, 助教授 (60272267)
田村 誠 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教授 (50272422)
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Keywords | 患者の主体化・自律化 / 医療者・患者関係 / 医師・患者間コミュニケーション / 医師・患者間相互作用 / 医療における意思決定過程 / 患者の参加 / ナラティヴ・セラピー / 援助者・被援助者関係 |
Research Abstract |
初年度は、患者の主体化・自律化を軸にした転換が迫られている日本の医療者・患者関係に関して、多角度からの実証研究と理論研究を行った。 1.医師・患者間コミュニケーションに関しては、癌診療場面における医師・患者間相互作用のRIASによる分析と、患者の評価による医師のコミュニケーションスタイルが癌患者の受診後の心理に及ぼす影響の検討を行った。 2.医療における意思決定過程に関して、一つは、日本における医療過誤訴訟事例の検討による説明の限界と医療者・患者関係の課題に関する医療社会学的研究、もう一つは、米国における生命維持治療停止についての患者の意思表示確認手続に関する文献的資料に基づく考察を行った。 3.医療過程における患者参加に関して、医療者側の調査としては、羊水検査による出生前診断に対する産婦人科医・小児科医・助産婦の態度とその関連要因に関す研究を行ない、患者・市民側の調査としては、ALS患者の呼吸器選択に際しての意思決定に関する聴き取り調査と、診療場面での患者参加に対する市民の意向と躊躇及びその関連要因に関する研究、さらに、基礎的な調査・分析として、成人患者の入院生活に対するイメージと準拠枠及び係留の変化に関する研究と、入院患者に付き添う家族の基本的ニーズに関する調査を行なった。 4.新しい医療者・患者関係に関して、一つには、医療者・患者の共同作業としてのナラティブ・セラピーに関する理論とインタビュー調査による実践上の課題の検討、もう一つには、自立生活を志向する身体障害者における他人介助者との新しい援助者・被援助者関係の特徴とその構築のための方略とスキルの把握・解明を行なった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 野口裕二: "ナラティヴ・セラピーとはなにか:物語としてのケアのために"看護学雑誌. 63・10. 940-945 (1999)
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[Publications] 藤江知郁子、山崎喜比古: "医療過誤訴訟にみる「説明」と医療者-患者関係"保健医療社会学論集. 11(印刷中). (2000)
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[Publications] Takayama, T., Yamazaki, Y. et al.: "Ralationship between oncology outpatients perceptions of physicians communication styles and patients' anxiety levels"Social Science and Medicine. (印刷中). (2000)
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[Publications] 玉井 真理子: "出生前診断に対する態度とその変容可能性"看護研究. 32・6. 13-22 (1999)