1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11410043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
村松 泰子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30239545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 銀子 山形大学, 教育学部, 助教授 (10282196)
藤原 千賀 武蔵野女子大学, 短期大学部, 助教授 (60249042)
高橋 道子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70107712)
中澤 智恵 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (00272625)
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Keywords | ジェンダー / ジェンダー・バイアス / 学校教育 / 理科教育 / 理科 / 科学 / 自然体験 / 中学生 |
Research Abstract |
本研究は、学校教育におけるジェンダー・バイアスの問題の中でも、とくに「理科」という教科を取り上げ、興味や関心、態度のジェンダー差の有無、およびその背景要因を明らかにすることを目的とする。 平成11年度においては、中学生の理科および自然・科学への関心や態度に関する調査を実施した。調査対象は、全国各地の公立中学校9校に通う中学1年生961名(女子437名、男子470名、不明54名)。調査方法は、学校を通して実施した学級単位での集団自記式質問紙調査である。調査時期は、1999年6〜7月である。結果の概要(一部)は、以下の通りである。 1 自然や科学への関心(詳しく知りたいと思うこと)について、日常生活と関連づけた具体的な事象16項目を示してたずねた。その結果、男女とも「CDの音が聞こえる仕組み」「星の一生」「ダイオキシンの毒性」に関心が多く寄せられていた。男女を比較して、女子の回答が多かったのは、「星の一生」「ジェットコースターで人が落ちないのはなぜか」などであり、一方女子よりも男子の回答が多かったのは、「石や岩のでき方」「ダイオキシンの属性」であった。 2 「理科」という教科の4領域を構成する「物理」「化学」「生物」「地学」の代表的な学習内容を挙げ、それぞれについて関心の度合いをたずねた。各領域に対応する学習内容としては、「電気や磁石の働き(物理)」「氷・水・水蒸気の変化(化学)」「動物や植物の成長のしかた(生物)」「天気の変化(地学)」を挙げた。その結果、男子よりも女子の方が関心を持っているのは「動物や植物の成長のしかた(生物)」であり、女子よりも男子の方が関心を持っているのは「電気や磁石の働き(物理)」であった。 以上の結果から、具体的な科学的事象のレベルでは、男女それぞれに多様な領域に関心を示しているにもかかわらず、理科という教科への関心には、男女差がきわめて顕著であることが示された。
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