2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11410043
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
村松 泰子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30239545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 銀子 山形大学, 教育学部, 助教授 (10282196)
藤原 千賀 武蔵野女子大学, 現代社会学部, 助教授 (60249042)
高橋 道子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70107712)
中澤 智恵 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (00272625)
高平 小百合 玉川学園女子短期大学, 教養科, 助教授 (80320779)
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Keywords | ジェンダー / ジェンダー・バイアス / 学校教育 / 理科教育 / 理科 / 科学 |
Research Abstract |
本研究は、学校教育におけるジェンダー・バイアスの問題の中でも、とくに理科という教科を取り上げ、興味や関心、態度のジェンダー差の有無、およびその背景要因を明らかにすることを目的としている。2000(平成12)年度は、昨年度の調査に引き続いて、同じ調査校を対象とし中学2年に進級した生徒に質問紙調査を実施した。調査対象は、全国各地の公立中学校8校に通う中学2年生869名(女子408名、男子443名、不明18名)。調査方法は、学校を通して実施した学級単位での集団自記式質問紙調査、調査時期は、2000年6月〜7月である。結果の概要(一部)は、下記の通りである。 1 理科の好き嫌いや学ぶ意味のとらえ方の男女差は、中1から中2にかけて拡大している。とくに女子の方が理科嫌いの傾向を強めている。 2 理科の実験時にとる役割には、中心になるのは男子、準備・片づけや記録の担当は女子と、性別による偏りがみられた。 3 理科への関心と学習内容の理解度について、(1)女子は生物的内容、男子は物理的内容に関心が高い、(2)関心の高い単元ほど理解度も高い、(3)数学的センスを要する難しい単元ほど女子の理解が低い、という結果が得られた。 4 理科に対する態度や信念の男女差は、全般的には中1から中2にかけて減少傾向にあるものの、女子の方が理科に対して否定的な学習態度を示しており、また、男子の方が教員からの期待を感じている。 5 理科に関して、男子の方が親から期待されていると受け止めており、家庭内の性別しつけについては、女子の方が強く感じている。 6 得意・苦手な科目は、英語を除き、ジェンダー化している。男子では理科の好き嫌いと得意・苦手との関係は強いが、女子では理科好きでも苦手だという者が少なくなかった。理科と他教科や全般的な学業成績との関係は、男女で異なる構造を持つと推察された。
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