2000 Fiscal Year Annual Research Report
相互行為の民族誌的記述:社会的文脈・認知過程・規則
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11410086
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅原 和孝 京都大学, 総合人間学部, 教授 (80133685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 大治 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (40242573)
串田 秀也 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70214947)
北村 光二 岡山大学, 文学部, 教授 (20161490)
岡田 美智男 ATR知能映像通信研究所, 主任研究員
水谷 雅彦 京都大学, 文学研究科, 助教授 (50200001)
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Keywords | 伝統技芸 / イーミックな視点 / 生活史 / 多人数会話 / トピック理解 / 発話解釈 / シミュレーション / 規則性のモデル |
Research Abstract |
月例で研究会を開催し、前年度に得られた資料を基にして、各自が研究発表を行なうとともに、相互批判と討論を徹底した。並行して、前年度に構築した共有資料とデータベースを利用して、各班の調査活動の有機的な連関をはかるとともに、新たな問題点を摘出した。 「社会班」は静岡県水窪町の芸能伝承場面、および長野県の精神障害者作業所に関するフィールドワークを継続した。とくに、現地でVTR資料を再生し参与者自身からの語りをひきだして分析することによって、相互行為の当事者のイーミックな視点を抽出した。また会話場面において個々人の生活史がどのように参照され、あるいは隠蔽されるかを分析した。さらに、北陸先端大学で多人数会話の場での相互行為を収録し、独自に開発した分析システムによって解析した。 「認知班」は、前年度に立てた理論的枠組みと分析・記述装置をさらに発展させるために、関連する認知理論の知見を取りこみ、資料分析の妥当性を高めた。また、大学生の会話と調査地の資料を比較することによって、トピック理解の形式を認知論的な観点から類型化するとともに、発話解釈・推論とマクロな組織化との相互連関を明らかにした。 「規則班」は、種々の情報空間における漏洩現象に焦点を合わせてデータ収集と解析を継続した。また、初年度において獲得された作業仮説を、コンピュータ上のシミュレーション・システムの構築という形で実現するとともに、その実効性を各班の成果をもとに検証した。さらに、このモデル構築と現実のデータとの間に発生するズレを剔抉し、人間的相互行為における規則性に関する理論の土台づくりを進めた。
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Research Products
(28 results)
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[Publications] 菅原和孝: "語ることによる経験の組織化-ブッシュマンの男たちの生活史から-"やまだようこ編『人生を物語る-生成のライフヒストリ-』ミネルヴァ書房. 147-181 (2000)
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[Publications] 菅原和孝: "<交動>する身体-人類学探究のためのノート-"岡田美智男 他編『bit別冊 身体性とコンピューター』共立出版. 31-46 (2000)
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[Publications] Sugawara,Kazuyoshi: "Cognitive space concerning habitual thought and practice toward animals among the Central San (IGui and IIGana)"African Study Monographs,Supplementary Issue. 27. 61-98 (2001)
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[Publications] 北村光二: "文化相対主義を超えて"創文. 421. 11-14 (2000)
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[Publications] 串田秀也: "モニターのこちら側のフィールドワーク-ある「会議」を素材とした会話-"好井裕明,桜井厚 編『フィールドワークの経験』せりか書房. 176-193 (2000)
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[Publications] 木村大治: "括弧の意味論"人工知能学会研究資料SIG-SLUD-A001-1. SIG-SLUD-A001-1. 1-6 (2000)
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[Publications] 木村大治: "拡散的会話場と相互返照的予期"岡田美智男 他編『bit別冊 身体性とコンピュータ』共立出版. 233-245 (2000)
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[Publications] Kimura,Daiji: "Utterance overlap and long silence among the Baka Pygmy : Comparison with Banta farmer and Japanese univerity students"African Study Monographs, Supplementary Issue. 26. 103-121 (2001)
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[Publications] 岡田美智男(鈴木 他との共著): "非分節音における反響的な模倣とその心理的な影響"情報処理学会論文誌. 41-5. 1328-1337 (2000)
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[Publications] Okada,Michio (Suzuki et al.との共著): "Talking eye : Autonomous creatures argumented chatting"Robotics and Autonomous Systems. 31. 171-184 (2000)
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[Publications] Okada,Michio (Suzuki et al.との共著): "Psychological effects derived from mimicry voice using inarticulate sounds"R.Mizoguchi & J.Slaney (eds.), PRICAI2000, Lecture Notes in Artificial Inteligence. 1886. 647-656 (2000)
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[Publications] 岡田美智男: "社会的な相互行為とそのリアリティを支えるもの"岡田 他編『bit別冊 身体性とコンピュータ』共立出版. 220-232 (2000)
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[Publications] 岡田美智男(坂本,鈴木との共著): "社会的な相互行為における行為の意味の不定性"人工知能学会研究資料SIG-SLUD. 53-58 (2000)
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[Publications] 岡田美智男: "完全無欠なコンピュータHALは何を欠いていたのか"人工知能学会誌. 16-1. 98-101 (2001)
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[Publications] 山森良枝: "パーフェクトにおける文と発話状況の相互作用に関する覚書"日本認知科学会第17回大会発表論文集. 142-143 (2000)
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[Publications] Yamamori,Yoshie: "On the present perfect 'V-teiru' in contemporary Japanese"Selected Papers on Semantics and Cognitive Japanese Linguistics. EAJS. (2001)
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[Publications] 定延利之: "スキャニング概念を利用した現代日本語接尾辞「おき」の曖昧性の統一的説明"認知科学. 7-3. 257-269 (2000)
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[Publications] 定延利之: "意味役割・深層格-一郎は二郎と立ち上がれるか?-"日本語学. 19-5. 76-87 (2000)
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[Publications] Den,H.& Clark,H.H: "Word repetition in Japanese spontaneous speech"日本認知科学会第17回発表論文集. 130-131 (2000)
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[Publications] 伝康晴: "共同活動の協同性について"日本認知学会第17回大会発表論文集. 238-239 (2000)
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[Publications] 森本郁代,伝康晴: "会話に見られる主導権の移動と話題の移行-発話交換構造におけるフォローアップ発話の機能を中心に-"社会言語科学会第7回研究大会予稿集. 107-112 (2000)
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[Publications] 細馬宏通: "十二階の現在"エリイカ. 32-4. 193-213 (2000)
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[Publications] 細馬宏通: "チャットは向を前提としているか-チャットの時間構造と音声会話の時間構造-"『bit別冊 身体性とコンピュータ』(岡田美智男 他編)共立出版. 338-349 (2000)
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[Publications] 細馬宏通: "人間の身振りを観察する-日常会話の身振り分析への招待-"遺伝. 54-11. 63-65 (2000)
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[Publications] 水谷雅彦: "情報倫理学研究資料集II"京都大学大学院文学研究科. 367 (2000)
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[Publications] 水谷雅彦(越智,土屋と共編): "情報倫理学-電子ネットワーク社会のエチカ-"ナカニシ屋出版. 323 (2000)
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[Publications] 定延利之: "認知言語論"大修館書店. 222 (2000)
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[Publications] 山田富秋: "日常性批判-シュッツ・ガーフィンケル・フーコー-"せりか書房. 209 (2000)