2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11410109
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
高浜 秀 東京国立博物館, 資料部, 情報調査研究室長 (60000353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 良光 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 化学研究室長 (40082812)
谷 豊信 東京国立博物館, 学芸部・東洋課, 北東アジア室長 (70171824)
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Keywords | 春秋戦国時代 / 中国北方系青銅器 / 中国青銅器 / 組成分析 / 鉛同位体比 |
Research Abstract |
春秋戦国時代に相当する中国北方系青銅器および中国青銅器の組成分析および鉛同位体比の測定を行なっている。これは中国およびその周辺地域の青銅器の成分と鉛同位体比を知ることにより、これらの地域の青銅器について、型式学の方面からだけでなく、青銅の成分などの技術的方面や、用いられた金属の産地という側面からも情報を集め、当時の諸地域間の文化的、技術的な交流関係や、経済的な関係などの実態を明らかにしようとする試みである。 今回の研究では、持ち運びのできる組成分析の機器を導入することにより、測定の能率を大いに上げることができた。 今年度は前年度に続き、東京国立博物館所蔵の青銅器を中心として既に60以上の資料の組成分析および鉛同位体比の測定を行い、興味ある結果を得ている。中国北方系青銅器の中では、夏家店上層文化と思われる資料、春秋戦国時代相当の河北・北京地区と推定される資料、内蒙古中南部と思われる資料、寧夏・甘粛地方と思われる資料があり、また中国青銅器の中では、山西省などの華北地方のもの、楚の系統の青銅器などがある。加えて、四川・雲南地方の青銅器の分析をも行なっている。前回の研究の結果、中国北方系青銅器の鉛同位体比は、中原の同時期の青銅器とほぼ同じであり、鉛に関する限り、同様の材料を使用したことが明らかになっているが、それをさらに地域ごとに詳細に跡付けることが今回の研究の目的の一つであり、現在その分析を進めている。
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