電子メディアを利用した情報開示に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11430030
• Research Institution: Konan University
• Principal Investigator: 河崎 照行 甲南大学, 経営学部, 教授 (10122227)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 浦崎 直浩 近畿大学, 商経学部, 助教授 (60203600) ; 池田 公司 甲南大学, 経営学部, 教授 (80202886) ; 小谷 融 関西国際大学, 経営学部, 教授 (50300364) ; 羽藤 憲一 近畿大学, 商経学部, 助教授 (30228499) ; 浮田 泉 関西国際大学, 経営学部, 助教授 (70203502)
• Keywords: 電子開示システム / 財務報告 / ディスクロージャー / データベース開示 / インターネット / ビジネスレポーティング / EDGAR / EDINET

Research Abstract

1 本年度の第1課題「電子情報開示の理論的展開」では,次のテーマが議論された。
(1)第1に,伝統的な財務報告からビジネスレポーティングへの拡大が議論され,それを実現する手段が電子情報開示であるとされた。
(2)第2に,ディスクロージャーの電子化がIT監査に与える影響が議論され,「継続監査」の必要性が強調された。
(3)第3に,情報技術の発展がコーポレートガバナンスに与える影響が議論され,「特別Webサイト下部委員会」の設置が提案された。
2 本年度の第2課題「電子情報開示の技術的展開」では,次のテーマが議論された。
(1)第1に,ビジネスレポーティングと情報技術の利用が議論され,最新の表現技法であるXMLの発展可能性が論証された。
(2)第2に,現在,AICPAが開発中の財務情報作成言語であるXBRLが取り上げられ,将来の電子情報開示の標準技法になりうる可能性が指摘された。
3 本年度の第3課題「電子情報開示の実態分析」では,わが国のWebサイトの現状が実態調査と質問票調査を通じて,次のように浮き彫りにされた。
(1)Webサイトの現状分析(調査対象会社100社)では,(a)ホームページの全体的構成,(b)マルチメディアの利用状況などが調査され,わが国の現状は,各社の実情に応じて実に多様であることが指摘された。
(2)質問票調査(調査対象会社513社,有効回答数197社(38.4%))では,(a)Webサイトの利用状況,(b)財務情報の開示内容と頻度などが調査され,わが国では,電子情報開示に対する関心の高さをうかがうことはできるものの,具体的な対応については模索段階にあることが指摘された。

Research Products

• [Publications] 河崎照行: "会計ディスクロージャーの拡大と情報テクノロジーのインパクト"會計. 157・5. 1-13 (2000)
• [Publications] 河崎照行: "強制開示を超えた"任意開示とは""旬刊経理情報. 925. 24-28 (2000)
• [Publications] 河崎照行: "電子情報開示はなにを変えるのか"企業会計. 52・11. 18-24 (2000)
• [Publications] 浦崎直浩: "電子メディアを利用した情報開示に関する企業の意識動向"企業会計. 52・11. 25-29 (2000)
• [Publications] 池田公司: "ディスクローシャーの電子化と監査業務の変化"企業会計. 52・11. 30-36 (2000)
• [Publications] 浮田泉,羽藤憲一: "XBRLの意義とその発展可能性"企業会計. 52・11. 37-42 (2000)