2000 Fiscal Year Annual Research Report
有理特異点,Young図形,Painleve方程式
Project/Area Number |
11440006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅村 浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40022678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 茂 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
浪川 幸彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20022676)
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20224016)
野海 正俊 神戸大学, 理学部, 教授 (80164672)
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Keywords | パンルベ方程式 / ヤング図形 / 特殊多項式 / 微分ガロア理論 / 有理特異点 |
Research Abstract |
Painleve方程式の定義について進展があった。 19世紀には新しい特殊関数を発見することによって数学を豊かにしたいという問題意識があった。このような時代背景のなかで、動く特異点を持たない代数微分方程式y"=R(t,y,y')で定義される特殊関数の探求からPainleve方程式は発見された。20世紀初頭にR.FuchsはPainleve方程式がモノドロミー保存変形によっても定義されることを見つけた。 我々はPainleve方程式が特殊多項式を生成することを発見し、Painleve方程の発見の動機からすれば意外にもPainleve方程式が組み合わせ論的な側面を持つことを発見した。特殊多項式の組み合わせ論的な性質に関する予想は種子田によって第6方程式の場合は証明されたが、最近第5方程式の場合も証明した。 野海はこれらの予想は自然な枠組みのなかで証明されるべきであると考え、対称性、すなわちBacklund変換からPainleve方程式を見直した。その成果はLie環論的な視点からのPainleve方程式の一般化となった。この結果は今年度出版された野海の著作「パンルヴェ方程式-対称性からの入門」朝倉書店に簡潔にまとめられている。これはPainleve方程式のまったく新しい定義であり、R.Fuchsの発見に劣らぬ価値を持つものであると考えられる。 一方研究代表者はPainleve方程式の新しい定義について、1914年のJ.Drachの論文に着目した。彼の仕事は欠陥の多いものであり、我々はそれを乗り越えようとした。我々が1994年に開発した無限次元微分Galois理論の枠組みを使うことによって、Drachのアイディアを明確にしようとした。Drachの正確な主張は何であるのかはっきりしないが、我々の言語を使うことによって何が証明できるのか、何が予想として残るのか明確にした。これもPainleve方程式の新しい定義の試みの一つである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H.Umemura et al.: "Special polynomials nelated with the second and the Sourth Pounleve equationw"Nagoya Math.J.. 159. 179-200 (2000)
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[Publications] H,Umemuca et al.: "Painleve equations and deformations of rational susfaces with rational double points"Proc.Symp.on Physics and Combinatrics 1999. (発表予定).
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[Publications] M.Noumi et al.: "Raising operators of row type for Macclonald polynomials"Composition Math.. 120. 119-136 (2000)
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[Publications] M.Noumi et al.: "Determinant formulas forth Toda and discrete Toda equations"Funkcial,Ekvac.. (発表予定).
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[Publications] M.Noumi et al.: "Birational Weyl group action arising from a noilpotent Poisson algema"Proc,Symp.on Physics and Comtinatoucs 1999. (発表予定).
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[Publications] M,Noumi et al.: "Tableau representation for Macclonald's ninth vauation of Schur functions"Proe.Symo on Physics and Conbinatorics 2000. (発表予定).
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[Publications] 梅村浩: "楕円関数論"東大出版. 362 (2000)
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[Publications] 野海正俊: "パツルヴェ方程式-対称性からの入門"朝倉書店. 204 (2000)