2000 Fiscal Year Annual Research Report
偏微分方程式に対する有限差分解析と有限要素解析-新しい誤差評価と算法の開発-
Project/Area Number |
11440030
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山本 哲朗 愛媛大学, 理学部, 教授 (80034560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田端 正久 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (30093272)
方 青 愛媛大学, 理学部, 助手 (10243544)
土屋 卓也 愛媛大学, 理学部, 助教授 (00163832)
陳 小君 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (70304251)
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Keywords | Shortley-Weller近似 / 超収束性 / 有限差分法 / 有限要素法 / 有限体積法 |
Research Abstract |
前年度、すでに方青、陳小君との共同研究により、解の正則度が低い場合には、Dirichlet問題に対するS-W近似は必ずしも超収束性をもたず、いろいろな状況が起り得ることを数値例により示し、その事例につき数学的証明を与えた。 本年度、山本はそれを一般化し、非整合差分スキームの収束証明に成功した。また、座標変換によりその精度を改良できることも証明した。そして、7月にベルギー国ルーヴァンで開催された第9回計算数学国際会議においてそれを特別講演した。 これと併行して、山本は、かねて興味を抱いていた3重対角行列の逆転公式の研究に着手し、2点境界値問題をS-W近似してえられる3重対角行列に対するGreen行列はGreen関数と密接かつ調和な関係をもっことを明らかにした。さらに、分担者土屋卓也はこの結果を用いて、有限要素解に対する一つの表現式を見い出した。この結果を有限体積法(FVM)に応用すれば、有限差分法(FDM)、有限要素法(FEM)およびFVMの3者に対する統一的理解が可能となる。これを山本・土屋・方3名の共同論文として取りまとめ目下JCAM誌に投稿中である。 最近、山本は、これらをさらに発展させて、一般Strum-Liouville型境界値問題を不等分割差分するとき、打切り誤差が各分点で1次であっても、2次精度の解がえられることをほぼ証明できた。目下証明の細部をつめている段階であるが、方助手による数値実験はすべてそれを裏付けている。 次年度はこの証明を完成させるとともに2次元問題への拡張の可能性を探りたい。これにより、FDM算法の新展開が期待できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Matsunaga: "Superconvergence of the Shortley-Weller approximation for Dirichlet problems"Journal of Computational and Applied Mathematics. 116. 263-273 (2000)
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[Publications] Q.Fang: "Superconvergence of finite difference approximations for convection-diffusion problem"Numerical Linear with Applications. 8(印刷中). (2001)
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[Publications] T.Yamamoto: "Superconvergence and nonsuperconvergence of the Shortley-Weller approximations for Dirichlet problems"Numerical Functional Analysis and Optimization. (印刷中). (2001)
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[Publications] T.Yamamoto: "Inversion formulas for tridiagonal matrices with applications to boundary value problems"Numerical Functional Analysis and Optimization. (印刷中). (2001)