2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440051
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70155208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 公実 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (40284484)
濱名 祐治 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (00243923)
杉田 洋 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (50192125)
松本 裕行 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (00190538)
深井 康成 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (00311837)
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Keywords | マリアヴァン解析 / 確率振動積分 / 漸近理論 / 熱核 / 確率微分方程式 / レヴィ測度 / ブラウン運動 |
Research Abstract |
高々2次のウィナー汎関数の分布が無限分解可能であることを証明し対応するレヴィ測度を確定した.これにより高々2次相関数をもつ確率振動積分の相関数に付随するヒルベルト・シュミット作用素による新たな表示を与えた.この表示は確率振動積分の指数減衰をより明示的な形で与える表示であり,それを利用して確率振動積分の指数減衰のオーダーをヒルベルト・シュミット作用素の固有値分布を用いてより詳細に述べうることを明らかにし,それをウィナー汎関数の密度関数の滑らかさの判定に応用した.この結果は論文にまとめ投稿した(谷口・松本).この詳細表現を利用してさらに,ウィナー空間内の超平面上でのフーリエ変換(h-変換)の減衰の様子を調べ,ウィナー空間内の超平面の幾何学的構造の解析を行った(谷口).2次元ランダムウォークが時刻nまでに半直線に到達しない確率の漸近挙動を研究し,その漸近挙動のオーダーを決定した.さらにその漸近挙動に現れる定数を適当な特殊関数を用いて積分表示できることを示した(深井).コンパクトでない階数1の対称空間(双曲空間と呼ばる)のうち例外型の空間を除く双曲空間上のLaplacianに対してその熱核の積分表現,Green関数の超幾何関数,球関数を用いた具体的な表現を与えた(松本).p進上半平面上の特殊線型群の作用で不変なマルコフ過程を,可算集合上のマルコフ連鎖の極限として構成し,その遷移確率が上半平面の不変測度に対して,少なくとも出発点を除いて絶対連続であり,密度関数は始点と終点の間の距離の関数であることを導いた.さらにこのマルコフ過程を射影して得られる基本領域上のマルコフ過程の生成作用素とその固有値を決定し,このマルコフ過程に付随する半群が跡族に入るための条件を求めた(安田).
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Taniguchi: "Analytic functions on abstract Wiener spaces"J.Funct.Anal.. 179. 235-250 (2001)
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[Publications] A.-B.Cruzeiro, P.Malliavin, S.Taniguchi: "Ground state estimations in gauge theory"Bull.Sci.math.. 125. 623-640 (2001)
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[Publications] S.Taniguchi: "Exponential decay of stochastic oscillatory integrals on classical Wiener spaces"J.Math.Soc.Japan. (掲載予定). (2002)
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[Publications] H.Matsumoto: "Closed form formulae for the heat kernels and the Green functions for the Laplacians on the symmetric spaces of rank one"Bull.Sci.math.. 125. 553-581 (2001)
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[Publications] S.Albeverio, W.Karwowski, K.Yasuda: "Trace formula for p-adics"Acta.Appl.Math.. (掲載予定).
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[Publications] H.Kesten, Y.Haman: "A large-deviation result for the range of random walk and for the Wiener sausage"Probability Theory and Related Fields. 120. 183-208 (2001)