2002 Fiscal Year Annual Research Report
非コンパクト型量子群SUq(1,1)の既約ユニタリー表現論とその量子対称空間
Project/Area Number |
11440052
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
増田 哲也 筑波大学, 数学系, 助教授 (70202314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 雅彦 筑波大学, 数学系, 教授 (30125356)
平良 和昭 筑波大学, 数学系, 教授 (90016163)
竹内 光弘 筑波大学, 数学系, 教授 (00015950)
伊藤 光弘 筑波大学, 数学系, 教授 (40015912)
木村 達雄 筑波大学, 数学系, 教授 (30022726)
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Keywords | 量子群 / 差分方程式 / 熱核 / 4次元球面 / インスタントン / ユニタリー表現 / 対称空間 / 数式処理 |
Research Abstract |
約15年程前にA. Connesによって非可換微分幾何学の枠組みの一つの案が発表されたが、それは枠組みだけで実質的かつ計算可能な実例があまり多く伴ってはいなかった。その後に量子群が発見され、約10年程前から量子群の研究が盛んに行われる様になったが、量子群の研究に於いては主として有限次元既約表現の研究が主体であり、その背後にあるべきであると考えられる幾何学的な考察は殆ど全く手が着けられていなかった。即ち対応する実形式で見ると群はコンパクト実型であり、また表現はその実型のユニタリー表現であり、研究の手法は代数的で、関数解析学的な手法は殆ど使われていなかった。また幾何学的な考察という意味では量子微分形式や特性類等に関するごく形式的な議論だけを扱った論文は僅かは発表されたが、実質を伴った議論は殆ど全く存在せず、またそれ等に関する数学的に厳密な観点からの考察を扱った研究論文も殆ど皆無であった。厳密な理論を展開する為に細部に亘った幾何学的な、或いは解析学的な研究を進める為の具体的な実例を我々が認識する状況に未だ十分に至っていなかった。 本年度は、まず非コンパクト型量子群SUq (1,1)の既約ユニタリー表現を構成した。また特徴づけるq差分方程式でもあり、それ自身対応する量子対称空間上の方程式ともなっている自己共役作用素は、そのグリーン核、熱核共に表示が具体的に与えられているが、これ等にもっと具体的な別の表示を与える研究を主として行った。また、この問題に付随して出て来る量子4次元球面をもあわせて研究し、その上のインスタントンとしてのベクトル束の構成に成功し、研究論文を発表した。この際に記号計算が膨大であったため、電子計算機を多用した。
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Research Products
(1 results)