1999 Fiscal Year Annual Research Report
多天体赤外ファイバー分光システムの開発と銀河形成の観測的研究
Project/Area Number |
11440065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩室 史英 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80281088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舞原 俊憲 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025445)
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Keywords | 赤外線天文学 / 銀河 / OH夜光 / 多天体分光 |
Research Abstract |
平成11年度は、OH夜光除去分光器本体部の製作と並行して、そのカメラ部であるCISCOを用いて稼働し始めたばかりのすばる望遠鏡の性能評価、及び科学的観測を行なった。特に、北銀河極付近の明るい天体の無い領域を地上からの赤外線観測としては最も深いレベルまで観測し、これまでにない精度での赤外線での銀河計数を行なうと同時にこの天域の非常に深い赤外線カタログを作成した。これにより、すばる望遠鏡で予定されている今後の可視光での追観測と合わせれば遠方宇宙での銀河の進化の様子を詳しく調べることができ、すばる望遠鏡での初期宇宙探査の足掛かりをつくった。他、重力レンズ天体やハッブルディープフィールドと呼ばれる深宇宙探査領域、遠方の電波銀河等多岐にわたって観測を行ない、この時期でのすばる望遠鏡による科学的観測結果の9割がCISCOによってもたらされた。一方、国内ではOH夜光除去分光器本体部が仮組み・調整を整え、マウナケア山頂のすばる望遠鏡赤外ナスミス焦点部に設置された。レーザーや参照光源を用いた調整を経て、2000年2月に試験観測が行なわれた。この時点で夜光除去率・透過効率ともほぼ当初の目標を達成している事が確認され、更に調整を進めれば限界等級を従来の観測方法より1等上げることができる見通しが立っている。本研究の目的である、OH夜光除去分光器用のファイバー多天体分光オプションは、使用する近赤外用テーパードファイバーの選定を終え、ファイバーバンドルの製作を完了した。また、ファイバーを配置する16本のXYプローブステージは9割の部品購入を完了し、組み立てに入っている段階である。今後、国内で動作試験・自動配置試験を行った後OH夜光除去分光器と結合し、世界初の近赤外多天体分光器ともなるOH夜光除去分光器として12月にファーストライトを迎える予定で開発を進める。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.Kajisawa 他: "Subaru Observations for the K-band luminosity distributions of the galaxies in the dustus at Z=1.2"Publ. Astron. Soc. Japan. 52. 53-60 (2000)
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[Publications] M.Kajisawa 他: "Colon-Magnitude Sequence in the Cluters at Z=1.2 near the Radio Galaxy 3C324"Publ. Astron. Soc. Japan. 52. 61-72 (2000)
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[Publications] Y.Itoh 他: "A Pain of Twisted Jets of lonized Iron from L1551-IRS5"Publ. Astron. Soc. Japan. 52. 81-86 (2000)
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[Publications] T.Nakajima 他: "Near-Infrered Spectroscopy of the Cool Brown Dwarf, SDSS1624+00"Publ. Astron. Soc. Japan. 52. 87-92 (2000)
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[Publications] M.Kajisawa 他: "Subaru Observations for the K-band luminosity distributions of the galaxies in the dustus at Z=1.2"Publ. Astron. Soc. Japan. 52. 53-60 (2000)
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[Publications] M.Kajisawa 他: "Colon-Magnitude Sequence in the Cluters at Z=1.2 near the Radio Galaxy 3C324"Publ. Aseron. Soc. Japan. 52. 61-72 (2000)
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[Publications] Y.Itoh 他: "A Pain of Twisted Jets of lonized Iron from L1551-IRS5"Publ. Astron. Soc. Japan. 52. 81-86 (2000)
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[Publications] T.Nakajima 他: "Near-Infrared Spectroscopy of the Cool Brown Dwarf, SDSS1624+00"Publ. Astron. Soc. Japan. 52. 87-92 (2000)