2000 Fiscal Year Annual Research Report
X線・ガンマ線による相対論的天体・相対論的現象の探査と解明
Project/Area Number |
11440066
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
高橋 忠幸 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (50183851)
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Keywords | テルル化カドミウム / CZT / X線 / ガンマ線 / CdZnTe / CdTe |
Research Abstract |
われわれが実用化に成功した新しいダイオードとして動作するCdTe検出器の研究を進め、60keVで830eV(FWHM)という、Ge検出器に匹敵するエネルギー分解能を達成した。さらに、薄い検出器を積層構造にし、各層毎に独立した読みだしエレクトロニクスを備えた多層の検出器とする事で、より高いエネルギーのガンマ線検出にも充分な厚さを持つ検出器を考案し、実際に製作した。こうすることで、十分な有効面積を持ちながら、分解能を維持することができるうえ、一層のみにエネルギーを失った事象を選択するなど、これまでの半導体検出器では行われてこなかった、低バックグランド化の技術を用いる事ができる。数100から数万というピクセルひとつひとつに回路を接合させた撮像素子を実現する際、大きな障害となるのは、電極にひとつひとつ独立なアンプを接合するバンプ技術である。CdTeはシリコンと異なり熱や圧力を加えると、性能が劣化するためバンプ接合の技術が確立していなかった。われわれは、新しい金スタッドバンプ方式を用いて、CdTeの微小なピクセル電極と読み出し回路とをバンブ接合する技術を確立した。この技術は、化合物半導体をピクセル化する際に有効なばかりではなく、LSIの中心部分から信号を引きだす技術としても有効であり、現在特許申請中である。われわれは,上述の技術を用い、各ピクセルの大きさが625ミクロン角で全体で400ピクセルのCdTe素子を読みだし用の基板にバンプ接合し、信号を外側に引きだし、シリコンストリップ用の1次元ASICを用いて各ピクセルからの信号をフォトン毎に測定する方式の検出器を試作し、画像とスペクトルの取得に成功した。
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[Publications] T.Takahashi & S.Watanabe: "Recent Progress in CdTe and CdZnTe detectors"IEEE Trans.Nucl.Sci. (in press). (2001)
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[Publications] T.Takahashi et al.: "High Resolution CdTe Detector and Applications to Imaging Device"IEEE Trans.Nucl.Sci. (in press).
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[Publications] T.Takahashi et al.: "High Resolution Schottky CdTe Detectors for Hard X-ray and Gamma-ray Observations"Nucl.Instr.Meth.. A436. 111-119 (1999)