2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440074
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
田代 信 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00251398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深沢 泰司 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60272457)
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Keywords | 宇宙X線 / 活動銀河 / 銀河団 / 宇宙ジェット / 電波ローブ / 磁場 / 相対論 / 粒子加速 |
Research Abstract |
本研究課題では、当初の計画に従って銀河間空間の磁場の測定を目指したX線観測と、次世代の硬X線検出器の開発実験を行なった。以下に項目に分けて示す。 1.電波銀河Fornax Aの再観測結果を解析、結果を米国天文学会誌に公表した(Tashiro et al.,2001,ApJ 546 L19)。この観測によって、電波ローブ中で粒子のエネルギーの高い領域と磁場の高い領域が分離していることを、はじめて観測的に確認した。 2.これまでの「あすか」による電波銀河ローブの観測に加えて、米国Chandra衛星、欧州Newton衛星を用いた観測を行い、その結果をふくめてた博士論文を指導した(磯部直樹(東京大学))。この観測によって、電波ローブ中で粒子の積分エネルギーと磁場の積分エネルギーの関係、および中心核との活動度に関して新しい結果を得た。 3.銀河団・銀河群中の硬X線ならびに電波銀河の観測を推進し、その結果を公表した。(Fukazawa et al.2001,ApJ 546 L59)。 とくに2については、これまで観測してきた電波ローブのすべてにおいて、従来想定されていた粒子と磁場の平衡が実現されておらず、むしろ粒子優勢の傾向があることが確認された。また、ローブ全体の積分エネルギーについては、粒子エネルギーが中心核の活動度に比例する傾向を示すのに対して、磁場のエネルギーは一定であるという興味深い結果を得た。次世代硬X線検出器の素材としてのCdZnTeの開発をすすめ、放射化実験や英国での開発打ち合わせを行った。 このほかこれまで開発をすすめてきた、ASTRO-E/E2衛星搭載の硬X線検出器(HXD)の性能について、成果発表を行った(IEEE TNS:Tashiro et al.2002 in press)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tashiro, M., et al.: "X-ray measurements of the field and particle energy distributions in the west lobe of the radio galaxy NGC1316(Fornax A)"The Astrophysical Journal. 546. L19-L23 (2001)
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[Publications] Tanihata, C., et al.: "Variability timescales of TeV blazars observed in the ASCA continuous long-look X-ray monitoring"the Astrophysical Journal. 563. 569-581 (2001)
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[Publications] Iyomoto, H., et al.: "Beppo SAX observation of NGC3079"the Astrophysical Journal. 561. L69-L72 (2001)
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[Publications] Fukazawa, Y., et al.: "Excess hand X-ray emission from the obscured low luminosity AGN in the nearlay galaxy M51(NGC5194)"Astronomy and Astrophysics. 374. 73-82 (2001)
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[Publications] Fukazawa, Y., et al.: "Detection of excess hand X-ray emission from the group of galaxy HCG62"the Astrophysical Journal. 546. L87-L90 (2001)
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[Publications] Tashiro, M., et al.: "Performance of the ASTRO-E Hand X-ray Detector"IEEE Trans.Nucl.Sci. (in press).