1999 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導スペクトロメータによる宇宙起源反物質の精密探査
Project/Area Number |
11440085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
吉田 哲也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50222394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 明 高エネルギー加速器研究機構, 低温工学センター, 教授 (30113418)
槙田 康博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30199658)
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Keywords | BESS / 超伝導スペクトロメータ / 反ヘリウム核探査 / ジェット型ドリフトチェンバ / 分散型モニタシステム |
Research Abstract |
気球搭載型超伝導スペクトロメータ(BESS)を用いて地磁気限界硬度の小さなカナダ北部において宇宙粒子線観測気球実験を実施し、宇宙起源反物質の探索を行った。また超伝導マグネットの改良および分散型環境モニタシステムの開発を進め、さらに反物質探索感度向上のための長時間宇宙線観測気球実験に向けての測定器開発を進めた。 平成11年8月に実施された気球実験を前に、BESS測定器が水面に着水した場合に備えて超伝導マグネットの安全性を確保するための排気系配管の改良を実施した。8月1日に行われた気球実験では気球本体のトラブルによって実験中止となり測定器が湖面に着水する事態となったが、排気系配管改良の成果もあり測定器を安全かつ迅速に回収することができ、8月11日には再実験を実施できた。この実験では37時間の宇宙線観測を実施することができ、平成10年度に比べて1.7倍の感度で宇宙線反物質探索を実施できた。 また今年度の実験にはニューロンチップを用いた分散型環境モニタシステムのプロトタイプを搭載し、測定器温度・圧力・GPS衛星による測定器位置情報収集などを行った。この経験を踏まえてさらにセンサ入力を増やした環境モニタシステムを開発・製作し、平成12年度の実験に搭載する予定である。 またBESS実験の将来計画の数日におよぶ長時間観測気球実験に向けた測定器開発として、長時間実験用飛跡検出器システムの基本設計・R&Dを行った。飛跡検出器として用いるドリフトチェンバ構造体の試作、テストチェンバの製作及び信号読み出し用前置増幅器の選定を行い、平成12年度の搭載機製作に向けての準備を進めた。
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Research Products
(1 results)