1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
服部 利明 筑波大学, 物理工学系, 講師 (60202256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中塚 宏樹 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10111915)
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Keywords | テラヘルツ電磁パルス / フェムト秒 / 非線形光学 / 電気光学サンプリング / ガリウム砒素 / テルル化亜鉛 |
Research Abstract |
本研究課題の最終的な目標である、大出力テラヘルツ電磁パルスを用いた超高速分光の達成に向けて、大出力テラヘルツパルスの発生装置の製作と、その出力パルスの強度、波形の測定を、本年度の目標として、研究を行ってきたが、その目標をほぼ達成することができ、さらに、大出力テラヘルツパルスの発生機構に関する新しい知見を得ることもできた。製作したテラヘルツパルス発生装置の概要は以下の通りである。テラヘルツパルス発生部は、直径5cm,厚さ350μmのガリウム砒素基板からなる。これに、3cmの間隔を空けて二つの電極を接触させ、これを、数kVのパルス電圧によってバイアスする。それと同時に、増幅されたフェムト秒レーザーパルスを照射する。それによって発生した電荷担体により、ガリウム砒素基板表面に急激に電流が流れ、そこから、大出力テラヘルツパルスが発生する。発生したテラヘルツパルスを、放物面鏡で集光し、その波形と、ピーク電場を、電気光学サンプリングの手法を用いて測定した。電気光学結晶として厚さ約1mmテルル化亜鉛を用い、テラヘルツ電場により誘起される屈折率の異方性を、フェムト秒光パルスでプローブすることにより、テラヘルツパルスの電場強度を、時間分解して測定した。その結果、パルス幅約600フェムト秒、最大ピーク電場約4kV/cmのテラヘルツパルスが発生できることが観測された。また、ピーク電場は、バイアス電圧にはほぼ比例し、入射レーザーパルスエネルギーに対しては、顕著な飽和を示すことが分かった。これらの振る舞いは、一般に受け入れられている電流サージモデルに、過渡的な電子の加速の効果を入れたモデルで、説明できることが分かった。また、達成可能なピーク電場を表す簡単な表式を導出することにより、現在の装置を改良することで、現在より、10倍から100倍の電場を得ることが可能であることが分かった。
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[Publications] H.Nasatsuka: "Site-dependent fluoresecence decay of malachite green doped in"Jpn. J. Appl. Phys.. 38(3B). L324-L326 (1999)
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[Publications] T.Yoda: "Observation of the waveform of accumulated photon echoes in a"J. Opt. Soc. Am. B. 16(10). 1768-1772 (1999)
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[Publications] T.Hattori: "Femtosecond pulse shaping with twisted-nematic liquid-crystal"Jpn. J. Appl. Phys. 38(10). 5898-5904 (1999)
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[Publications] N.Tsurumachi: "Optical phase conjugation in one-dimensional photonic crystals"Nonlinear Optics,. 22. 405-408 (1999)
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[Publications] N.Tsurumachi: "Enhancement of nonlinear optical effect in one-dimensional"Jpn. J. Appl. Phys. 38(11). 6302-6308 (1999)
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[Publications] N.Tsurumachi: "Time response of one-dimensional photonic crystals with a defect"Jpn. J. Appl. Phys. 38(12A). L1400-L1402 (1999)