1999 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ磁性体における量子伝導機構と巨視的トンネル効果
Project/Area Number |
11440116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮島 英紀 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (70166180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 輝男 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (90296749)
白濱 圭也 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70251486)
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Keywords | ナノ磁性体 / 量子伝導 / トンネル効果 / 弱局在 / 磁性細線 / ナノワイヤー / 量子コンダクタンス / 磁壁移動 |
Research Abstract |
斜め蒸着法により、線幅が10nmのNi細線を作ることに成功した。この細線の電気抵抗の温度変化を10mKまで測定したところ、1K以下で抵抗が温度減少とともに対数的に増加すること、さらに、30mK以下では抵抗は温度によらず一定になること、等を発見した。これは磁性細線中で弱局在が起こっている為であり、細線幅が電子の平均自由行程に近くまで狭まったことにより生じたものと考えられる。 電気抵抗測定細線に電流励磁細線を直交させ、励磁細線が作る磁場の大きさで磁壁をピン止めさせる方法を確立した。この方法により磁壁がある場合とない場合の電気抵抗を比較した結果、磁壁が存在すると電気抵抗が減少する減少を見つけた。これは「多々良・福山の推測」と良く一致する結果であり、更に検討している。 原子が単鎖状に並んだ,いわゆる「ナノワイヤー」をポイントコンタクト法により作製する方法を考案した。これを用いて強磁性Niナノワイヤーの電気抵抗を測定した結果、量子コンダクタンスが従来のように2e^2/hで量子化されるのではなく、スピン縮退がとけたe^2/hで量子化されることを発見し、報文報告をした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Ono,Y.Ooka,H.Miyajima and Y.Otani: "2e^2/h to e^2/h switching of quantum conductance associaite d with a change in nanoscale terromagntic domain structure"Applied Physics Letters. 75. 1622-1624 (1999)
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[Publications] Y.Nozaki,K.Matsuyama,T.Ono and H.M.Yajima: "Micromagnetic Structure Analysis of Hend-on-Hend-Type180゜ Domain Wall in submicron Size Co Wires"Jpn J.Appl.Phys.. 38. 6282-6286 (1999)
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[Publications] K.Shirahama,H.Suto.Oleg I.Kirichek,K. Kono: "Wigner solid on the free surface of superfluid ^3He"Physica B. 284-288(in press). (2000)